「寄り添って下さる阿弥陀様」  北山組 延覚寺住職 藤野真也


 私の毎日の日課は、家に飼っている犬の散歩です。朝夕の二回とはいえなかなか大変です。犬と散歩するといっても、だいたいは犬が動くように私が動くという事になります。できるだけ好きなようにさせたいと思うからです。それでも時々、いつもは行かない方向に行こうとしたり、道に生えている野草を食べ続けたりして時間がかかり過ぎると首輪をぐいっと引っ張り無理矢理に家に帰ることもあります。

 犬に関するある本の中に、「飼い主にはたくさんの友達がいるでしょうが、飼い犬にはおうちの方だけが友達だからいつもかまってあげて下さい」と書いてありました。わたしも本当にその通りだと思い、なるだけ時間があれば声をかけ、さすってあげたりしています。しかし先ほどの散歩でさえ犬に合わせるどころか、自分に都合が悪くなるとイライラしてくる自分がいます。

犬に寄り添うことでさえ難しいなと思います。

 そんなときに私達の阿弥陀様のご苦労を思わずにおれません。

阿弥陀様は「あなたを決して見捨てることはない、一人ではないのだ」と

いつも私のそばではたらきどうしの仏様と聞かさせて頂きます。

私が同じように家族や友人にどれだけ寄り添っているだろうかと自分に問いかけてみるとただ恥ずかしいばかりです。

 迷いの人生に生きていることさえ気付かずに、自分の都合の良いように生きている私を見捨てることなく寄り添って下さる阿弥陀様のご恩を思いつつ、今日も南無阿弥陀仏と称名念仏させていただきます。

そして本当に人の痛みを理解することは難しくても、仏様に学び、少しでも寄り添う心を育んでいこうと思うのです。

 

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