或る講演のレジメから
〜豊かな地域生活を支える障害児の教育〜

 東京学芸大学の先生を講師とした国主催の講演があり(H16)、その時に配布されたレジメの一部です。
 じっくり見ていくと、障害児の教育について何が大切かを的確に記述されているように思います。そして、 それは、現在の障害児教育に疑問を呈するものとなっています。
 でも、これを聞いた教員の皆さんは、ほとんど理解されていなかったようです。
 残念ながら、それほどに教員の障害児教育に対する関心や現状認識は低いものです。


T はじめに〜障害のある人たちをとりまく情勢の変化〜
  (省略)

U 教育の目標は「成人期の自立(自律)」
 1 療育システムの整備、障害児教育の進展は「幸せな障害児」を育てられたのか?

 2 自立とは何か
  (1) 自立している人などいない
  (2) 障害のある人たちにとっての自立とは
    ・ 障害のある人たちにとっての自立とは、「経済的自立」「身辺自立」だけではない
    ・ 自助具や他人の援助を受けるとしても、自分の行動に責任を負い、自分の能力に合った
     生活を主体的に選択し実践すること。(1960年代アメリカの自立生活運動)
    ・ 自分の人生の主人公として生きていくこと(自分の人生を自分の意志で生きていくこと)、
     そのために努力する過程そのもの=自律
  (3) 社会で豊かに暮らしていけるために必要な能力とは
    〜歩く、しゃべる、読み・書き・計算は、「自立」にとって不可欠な要素だろうか〜
     5歳レベルの力があれば、人は生きていける。
    ・ 意欲、自信、安心感 
    ・ 言葉だけではなく、コミュニケーションする力
    ・ 買い物する、身だしなみ、周りの人と折り合いをつけるなどの、生活する技術
    ・ 自分で決め、自分で選ぶ力
    こうした能力を育てるための教育と環境が必要とされている。

 3 援助(指導)目標の転換の必要性
  (1) 幼児期の課題
  (2) 教育が成人期に向けて準備するべきこと
    ・ 自立(自律)を目標とした生活技術の習得
     ←就労だけでなく地域生活(生活する技術、性、余暇の過ごし方など)への準備が不可欠
    ・ 遊べる障害者を育てることも教育の重要な課題
  (3) 家族、家庭への援助

V 特殊教育から特別支援教育への転換に向けて
  (省略)