ダウン症の名前の由来
ダウン症という言葉は、1866年、英国の医師ダウンによって医学的に記載されたことに由来しており、1959年には、 その原因が染色体の異常である21番トリソミ-であることがわかりました。
染色体の働きについて 私たちの体は、何兆個もの細胞の集まりです。 お母さんのお腹の中では、父親と母親の両方の遺伝子が協力して、細胞分裂を長い時間繰り返して、赤ちゃんが形造られていきます。 その遺伝子は、2つづつ対になった、計46本の染色体という入れ物の中に記録されていますが、染色体が通常より1本多い状態に なると、本来の遺伝子の働きがうまく赤ちゃんに伝わらないと考えられています。 21番目の染色体も、通常は父と母から1本づつ引き継いだ2本で形作られますが、ダウン症の場合はこれが3本あり、この状態を 21番染色体トリソミ-と呼んでいます。 ダウン症では他に、21番染色体の3本目が他の染色体にくっついた「転座型」、21番目の染色体を2本持つ細胞と3本持つ細胞が 混じった「モザイク型」などがあり、症状もそれぞれ異なっています。
発生の原因はよく分かっていません ダウン症の子供は、新生児の 700~1000人に1人の割合で生まれます。 両親からの遺伝的な原因のものは、ほとんどなく、多くは偶発的な染色体の不分離という自然的な現象で起こるもので、その原因 はよくわかっていません。 このため、どこの家庭にも常に生まれてくる可能性がある子供たちであり、”なぜ私たちの子どもに”という疑問に対しては、” 偶然”という答しか導き出せないものなのです。
子ども達の発達の可能性について ダウン症といっても、その障害は千差万別です。 一般的には、筋肉の緊張が低く、関節が柔らかいなどの特徴があり、個人差はあ るものの、その運動発達は他の子供たちに比べて2倍程度の時間がかかるという感じがしますが、1歳から3歳までの間にほとん どの子は歩けるようになります。 知的発達についても、他の子供たちに比べてかなりの時間を要することになりますが、最近は早期療育の考え方が浸透してきたこ ともあって、お互いに言葉で意思の疎通が図れるようになってきています。
子供たちと一緒の夢を ダウン症の子供たちは、性格は穏やかで、音楽好きの明るい子供が多く、将来は皆さんの良き友人になれる存在と思います。 どうか子供たちの可能性を信じて、将来の夢を育んでください。 そのためには、周囲の人たちの支えが必要です。 友人や親戚、近所の人たちにも理解してもらうことで、子供の成長を促し、子供たちを取り巻く私たち自身も成長することが できると思います。
子どもに恵まれた御両親、御家族の皆様へ 祝福されて生まれてきた子供が、ダウン症や染色体異常と告知されたときの御両親、御家族の悲しみは、言葉では言い表せ ないほど深いものだと思います。 落胆や将来に対する不安など、それは短い期間で解消できるほど容易なものではありません。 これまで幾千、幾万の人たちがそうした悲しみを乗り越えて、障害をある子供たちを育て、家族としての絆を深めてまいりました。 そこには、深い愛情と子供の幸せを願う強い意志があり、子供を取り巻く人たちの温かい支えがありました。 新しい家族となった子供は、ゆっくりとした足取りで、障害を持っていることが本来の姿であるかのように、ごく自然に、ごく普 通に、楽しく生きようとしています。 私たちは、親として、家族として、障害を持つ子供たちの幸せを願い、また、一人の人間として、子供たちが健やかに育つように 見守り、手助けしていくことが必要と思っています。 御両親並びに御家族の皆様、他の子と同じ様に、子供を愛するという、ごく普通の強くて小さな勇気を持ち続けてください。
障害のある子の周りにいる皆様へ 障害のある子(人)は、決して特別な存在ではありません。 私たちの住んでいる社会が、障害のない人にとって使い勝手の良い仕組みを作り上げているために、 障害のある人たちには、甚だしく不便で使い勝手の悪い世界になっているだけなのです。 そして、そのことを障害のない人たちは、なかなか理解しようとしません。 あなたが通った小学校や中学校で、あなたの隣の席に障害のある子はいましたか。 あなたの職場では、どんな障害のある人が働いていますか。 あなたが住んでいる地域で、障害のある人は伸び伸びと笑顔で過ごしていますか。 もし、あなたの側に障害のある人がいないとしたら、そのことがとても不自然なことだと考えたことはありますか。 障害のある子(人)は、特別な存在ではありません。 あなたのすぐ隣で学び、生活し、働いている姿が、本来のあるべき姿なのです。 ダウン症や障害のある人たちのまわりにいるあなた。 あなた自身の心の扉を開いてください。 障害は、あなた自身の心の中にあります。
ダウン症以外の染色体障害のある子の御両親へ ダウン症以外の染色体障害について、私たちの団体は、詳しい知識や情報を持ち合わせていません。つきましては、 FOUR LEAF CLOVER のHome Pageに情報が掲載されていますので、そちらを御覧いただければと思います。
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