ダウン症の子供たちは、他の子供たちと比べて、とてもゆっくりと育っていきます。
そのため、歩けるようになるのだろうか、話せるようになるのだろうかと心配になります。焦る必要はありませんが、早めに療育につ いて考え、実践していくことは大切なことです。


知育について

療育の必要性について
知育(心)の療育は、目や耳にしたものを、形や色、大きさなどで理解し、それを言葉として脳につなぎ、脳に整理していく訓練だと 考えられています。
他の子供たちが、2歳程度でいつの間にか言葉を覚えていくことも、ダウン症の子供たちは、覚えて理解することが苦手なために時間 がかかります。
そのため早い時期から、一定の療育訓練を行うことも一つの方法と考えられています。

例えば、早期療育として行う感覚、知覚訓練というものがありますが、この訓練の考え方では、ひらがなや数字をいきなり覚えてもな かなか頭の中に入りません。
目や耳に入った情報を脳に伝える「道」を作るための訓練が必要とされ、これがないと、頭の中に言葉がたくさん詰まっていても、道 がつながっていないために話すことができない、という考えのもとに訓練をされています。

いつ頃、相談
生まれてからすぐに、童謡などの音楽を聴かせたり、声をかけたりして、新鮮な刺激を与え続けたことで効果を挙げた例もあります。
また、腰が座る頃から絵本を読んだり、学習的な訓練を取り入れて伸びた子供もいます。
学習方法もいろいろあり、子供の障害の状態も様々ですから、同じ障害を持つ人たちの意見を聞きながら、取り組んでみてください。

療育(知育)のポイント

初めは、簡単なことから
ダウン症の子供たちは、覚えて理解すること、長い期間記憶しておくことが苦手です。また、進んで覚えようとする積極性も薄いよう です。
初めは色の区別や形など、目に見えるものを頭の中で認識させ、整理させていくような簡単な訓練から始めましょう。

根気よく、繰り返し
障害のない子には簡単なことでも、ダウン症の子供たちにはとても難しいことなのです。
そのことを理解して、親は根気よく、繰り返して訓練を行うことが必要です。
他の子供たちが、年齢に応じて徐々に伸びていくのに対して、ダウン症の子供たちは階段を登るように伸びていきます。
そのため、途中で投げ出すと、階段を登れない期間が長くなります。
いつか必ず出来るようになりますので、根気がもっと取り組むことが大切です。

ゆっくりと楽しく
理解することが苦手なことから、語りかけるときや本を読んで上げるとき、日頃の会話でも、ゆっくりと話すことで、子供が理解し やすいように心がけましょう。早口の言葉は、子供にとって雑音と同じかもしれません。

体の療育について

療育の必要性について
体の発達は、千差万別です。他の子と同じ様に1歳半で歩く子もいれば、3歳近くになって、やっと歩く子もいます。でも、その 後の成長には、ほとんど影響ありません。
ただ、一般的に他の子供たちに比べて筋肉の発達が遅いことから、定期的に療育指導を行っている機関で相談、指導を受けながら、 弱い部分の筋肉を強くする訓練を行うことが望まれます。

いつ頃、相談
親の気持ちに余裕ができたら、療育相談のできる機関で定期的に体の成長状態を確かめて、家庭で訓練する方法などについて、指導 を受けるようにしてください。
なお、合併症や頸椎のずれなど、事前に検査を行っておくことが適当な場合もありますので、専門機関で検査を受けるなど注意して ください。

療育機関は、どんなところ

療育機関は、専門の施設から民間の病院などがありますが、ここでは、療育を専門に行われているところを紹介します。
そこから、年齢や障害の程度に応じて更に専門的に訓練を行われている機関を紹介してもらうこともできます。

療育に関する主な相談・指導機関

県総合福祉センタ−(機能回復訓練室) 0952-26-1212 佐賀市天佑1-8-5
県 立 春 日 園 0952-62-2131 大和町尼寺1231-1
佐 賀 整 肢 学 園 0952-98-2211 佐賀市金立町金立

療育に関する通園施設

くすのみ園 / 県総合福祉センタ- 0952-26-1212 月〜金曜/療育訓練、生活指導
ひよこ教室 / 佐賀整肢学園 0952-98-2211 月〜金曜/機能回復訓練、言語訓練
ひかり園 / 鳥栖市本町3-1463 0942-83-0847 月〜金曜/集団適応、基本動作指導
あゆみ教室 / 唐津市福祉会館 0955-72-9169 月〜金曜/個別訓練、課題遊び
まつぼっくり教室/唐津医療福祉センタ- 0955-70-3580 月〜金曜/機能回復訓練
ひまわり園 / 伊万里市民センタ- 0955-22-3933 月〜金曜/療育訓練、言語訓練
すこやか教室 / 鹿島小学校敷地 09546-3-2111 月〜金曜/基本動作指導
たんぽぽ教室 / 武雄保育所 0954-22-3776 月〜金曜/療育訓練、生活適応訓練
どんぐり教室 / 県総合福祉センタ- 0952-26-1212 水曜 / 機能回復訓練、療育訓練
つくしんぼ・さくらんぼ教室/県立春日園 0952-62-2131 水曜又は金曜/言語訓練、生活指導

知育に関する教室など
民間でも、療育の専門家が独自の療育理論に基づいて、障害を持つ子供たちの学習指導(感覚、知覚訓練)をされている教室や、 七田式、公文式などの学習訓練があり、知育に一定の効果を上げています。
どの学習方法(訓練)が適しているかについては、同じ障害の子を持つ人からの情報や意見を参考にしながら、子供の障害の程度 などに応じて自分なり考えてみることが必要と思われます。

療育に一番大切なこと。それは、障害を持たない子と同じような気持ちで育てることです。
親として家族として、子供たちとコミュニケ−ションを図りたいという気持ち、そこから発せられる言葉や笑顔が、子供たちには 一番の栄養になります。

子供たちも、明るく声をかけ笑顔を向けてくれる親や家族だからこそ、一生懸命に小さな体を動かし、コミュニケ−ションを図ろう という気持ちになります。
そうした一つ一つの積み重ねが、子供たちの心や体を育んでいくことになると思います。