日時:平成16年12月12日 場所:佐賀市
JDS全国巡回セミナーの開催も九州では3回目。福岡、熊本に続いての開催だけに、これまでの大会よりも幾らか
参加者も少なくなりましたが、約220名の参加を得て開催することが出来ました。
予想以上の参加がありましたが、子どもたちのこれからを考えていく場合に、こうした学習の機会はとても貴重で、 これからもひとつひとつを大切にしていきたいと思います。 講師となる菅野先生、橋本先生、玉井理事長には、前日から佐賀入りしていただきました。 3人の先生を囲んでの 懇親会も開くことが出来たことは、とても良かったと思います。 当日の準備は、午前8時50分に開始。 その前から、既に会員の皆さんは会場周辺に集まっていました。 受付の設営や全体会会場の準備、3つの分科会会場、保育・本人部会の会場の配席や表示を進め、担当となる人た ちが張り付いていきます。9時30分頃には、早速、受付を始めました。 入場の整理から、弁当の注文の受付など、ざわめきながらの本番入りとなりました。 本人部会・保育の受付の方 も、子ども達とボランティアを合わせると100名あまりと大規模になり、かなりの混雑振りとなりました。 JDS全国巡回セミナーは、午前10時定刻に開会。 松本さんの総合司会のもとで、はじめにCLUBを代表して西村さんから開会と歓迎の挨拶があり、続いて日本ダウン症 協会理事長の玉井邦夫氏の挨拶がありました。 その後の全体会は、橋本創一東京学芸大学助教授、菅野敦同教授、玉井邦夫理事長から、それぞれのテーマに基づい た総論的なお話があり、分科会での事前学習のようになっていきました。 本人部会・保育の会場は、更に忙しい状態になっていました。 佐賀大学や西九州大学の学生さん、大和養護学校の先生他のボランティアの皆さんと子ども達が入り乱れながら、 アバンセの3階フロアと音楽スタジオを占拠したような状態で、エアロビクスやカラオケ、工作教室、料理教室に取 り組んでいました。 午後からは、3つの分科会に分かれてのセミナーとなり、個別具体的な話になりました。 第1分科会は、佐賀市立図書館2階の多目的ホールで行われました。 園田さんの司会のもとで、橋本先生による「乳幼児期〜就学期のダウン症児の発達と支援」をテーマに講習があり ました。 子どもの発達へのアプローチや具体的な指導の方法、学習支援の方法など、非常に具体的に、丁寧な資料での説明 があり、参加された皆さんは、ダウン症の幼児期からの成長に関して、しっかりとした学習が出来たものと思います。 佐賀大学の藤田一郎先生にも助言者として参加いただきましたが、最初に設営していた椅子席では不足するほどに盛 況な中での分科会となりました。 第2分科会は、アバンセのホールで行われました。 弥富さんの司会のもとで、菅野先生による「成人期のダウン症候群」をテーマにしたお話がありました。 中でも、急激退行に関するお話では、その初期の症状から回復のための取り組み、知的レベルによって発症には差が ないことなどが取り上げられました。 特に「成人期のダウン症児は、かなり淋しい生活をしている。仕事を覚えると人に聞くことがなくなる。人が良い から声もかけられなくなる。職場と家の往復だけになるが、それが彼らの生活であって良いのか。もっと成人期に目 を向けてほしいという思いがある。」という話や、「過去においては、ダウン症の人は、40代でほとんどの人がアル ツハイマーが発症すると言われていたが、今日では、健常者と比べて発症率そんなに高いわけではないということが 分かってきた。」という内容が印象に残りました。 川上小学校の船津静哉先生にも助言者として参加いただき、障害のある子ども達との関わりについてお話がありま した。 第3分科会は、アバンセ4階の研修室で行われました。 山崎さんの司会のもとで、玉井先生による「家族ライフサイクルと療育」をテーマにお話がありましたが、地域や 家族の中での育ちや生活について、分かりやすくお話がありました。 また、助言者として参加いただいた長松小学校の吉田恵子先生からも、身近な学校現場などで取り組まれている事 例についての紹介もありました。 まとめの会では、第1分科会の報告を藤瀬さんから、第2分科会の報告を勝屋さんから、第3分科会の報告が鷲崎 さんから、それぞれ行っていただきました。 今回の全国巡回セミナーの開催に当たっては、佐賀大学、西九州大学、大和養護学校の皆さんにボランティアとし て御協力いただきました。ありがとうございます。 皆さんの協力で、これまでにない様々な学習が出来たことをとても嬉しく思っています。
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