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日本産科婦人科学会指針案
新出生前診断に懸念「命の選別、妊婦に動揺」
限定した施設で実施


妊婦の血液で胎児のダウン症など3種類の染色体異常を調べる新しい出生前診断について、日本産科婦人科学会が策定中の指針案がわかった。
指針案では「安易な命の選別につながりかねない」「妊婦が動揺、混乱のうちに誤った判断をする可能性がある」などと強く懸念を表明、実施施設を国が認定する制度の創設を求めている。
社会に大きな影響を与えるとして、導入には慎重な姿勢を求める方針が鮮明となっている。
同学会では、15日に指針をまとめる方針。
学会内では、一般の市民に広く意見を求めるべきだとの見解もある。
新出生前診断の導入を計画する施設の関係者は、「検査開始が来年以降にずれ込む可能性がある」と話した。
指針案では、新出生前診断で染色体異常が判明しても治療できないため、胎児の出生を排除し、障害者の生きる権利と命の尊重を否定することになる懸念があると指摘した。
妊婦が十分な認識を持たずに検査を受けたり、誤解に基づいて人工妊娠中絶したりする可能性があるとした。
「遺伝カウンセリングが適切になされ、妊婦が内容を正しく理解することを最重視しする」としたが、血清検査や羊水検査による従来の出生前診断でもカウンセリング体制が整っているとは言えないとし、体制が整うまでは、広く一般産科に導入すべきではないとした。
また検査の対象も、羊水検査などと同様に、「染色体異常の子どもの妊娠歴がある」「高齢妊娠」と限定している。さらに、一学術団体だけでルールを決めるのは負担が大きいとして、国の関与を求めている。
しかし、海外で普及しつつある現状から国内で禁止するのは困難で、十分なカウンセリングができる施設で限定して行うことが必要だとした。
【佐賀新聞ほか 平成24年12月13日】