尿路結石(腎・尿管・膀胱結石)/泌尿器科いまりクリニック、佐賀県伊万里市
尿路結石とは |
尿路にできる結石で、その部位によって腎結石・尿管結石・膀胱結石と言われます。成分は蓚酸やリン酸などと結合したカルシウムが主です。原因は不明ですが、いくつかの成因が組み合わさって石が発生しやすい環境ができます。 近年では腎結石・尿管結石の発生がずいぶんと増加しています。以前は膀胱結石が多く、腎結石・尿管結石は少なかったのですが、大東亜戦争後次第に腎結石・尿管結石が増えて、膀胱結石よりも多くなっています。先進国では腎結石・尿管結石が多く、後進国では膀胱結石が多いという統計があり、日本も腎結石・尿管結石が増えてきたことと食事や生活様式の欧米化と関係があるようです。 2011年の日本泌尿器科学会総会での尿路結石シンポジウムでは、最新の生涯結石罹患率は男15.1%、女6.8%、これは50年前の3倍、20年前の1.6倍で、最近では結石症がかなり増えている。尿路結石患者では糖尿病、高血圧、高脂血症の合併が多く、逆に糖尿病や高血圧症の患者では尿路結石が多い。夏に尿路結石の患者受診が増加する。泌尿器科いまりクリニックでも夏には尿路結石の患者が増えていました。そして、以前は冬にはめったに結石患者が来ませんでしたが、最近は冬でも暖かいので結石時患者が普通に受診しています。 |
結石の症状(結石の痛みはひどかばい) |
急に側腹部・腰背部がとても痛くなり、むちゃくちゃ痛く、転げ回るほど痛く、吐き気や嘔吐も一緒に出ます。痛くてたまらんので、何とかしてくれというほどです。虫歯の痛みより強く、難産の陣痛の時くらいのひどか痛みだそうです。腎結石はあまり痛まないようです。尿管結石が痛みが強く上記のようなひどい痛みが出ます。また、膀胱に近い尿管結石では、膀胱を刺激するので、膀胱炎のようでもありますし、男では睾丸に痛みが走り、睾丸がどうかしているのではないかと思うこともあります。 |
結石の診断と検査 |
検査:検査は、検尿、超音波、腎盂造影、CT、MRI、動脈造影などです。まづはこれらの画像検査などで結石を発見することです。 |
結石の治療 |
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薬物治療 |
痛みを取る:消炎鎮痛剤、麻薬(保険適応が無いようです)、麻薬類似薬、抗けいれん剤、抗コリン剤としてブスコパンや硫酸アトロピン 指圧:予想以上にかなり効果があります。これだけで痛みが消えることがあります。まず指圧してみましょう。痛む方の側腹部を親指などでへそに向かって押してみましょう。 結石の予防:以前は予防がむずかしいとされていたカルシウム結石群でも最近の研究ではクエン酸を内服し続けることでかなりの程度発生を防ぐことがわかってきました。ただし何年間も内服することが必要です。 |
対外衝撃波による破砕 |
対外衝撃波(ESWL)を結石に当てて破砕する方法です。すべての結石が破砕できるとは限りませんし、割った石が排出されるときにかなり痛いこともありますが、非常にすぐれた方法です。 |
内視鏡手術 |
対外衝撃波治療ができない場合に行われていますが、最初から治療の第一選択となることもあります。内視鏡を石のところまで進めて電気水圧法やレーザー光線で石を破砕し、摘出する方法です。。 |
開腹手術 |
腎結石・尿管結石・膀胱結石摘出術:上記の治療法ができない場合に行います。今でも時々行われています。 |