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4月29日(日) 今週は水に悩まされた日々。でも、めでたく調査完了。
27日は、今月中と決まっていた調査期限の実質的な最終日。ところが、健闘むなしく、あえなく志半ばにしてタイムオーバー。
作業員さん達は帰宅。
残されたのは、緊張感の切れかかった調査員二人。しかし、このまま投げるわけにもいかないのが担当者の辛さ。
“こりゃ掘るしかないか!”
かくして再び緊張の糸を結び直し、わびしくもおじさん二人で土を掘っては運び、また掘る。
まあ、いろいろ調査を重ねてくると、時にはこんなこともないわけじゃない。予算オーバーで連日自分たちだけで掘り続けたこともあれば、褒められることじゃないが懐中電灯ってことも。今回なんて、やればまだ明るいうちに終わりそうなので、楽勝、楽勝。ただし、唯一の気掛かりは写真。早めに完掘しないと、暗くて終了写真が撮れなくなってしまうからだ。
何とか1/45秒で、ギリギリ滑り込み。ついに3ケ月近くもかかった調査が完了した。
これでほっと一息。もうしばらく発掘調査はまっぴらごめんというところ。しかし、そんなこと自分の意志ではどうにもならないのもこの商売。体制の整った大きな組織ならいざ知らず、町くらいの小さな組織では、一つ開発事業で遺跡がかかれば、短期はおろか、中期、長期的な計画さえも灰燼に帰してしまうので始末が悪い。特に有田の場合は、掘れば例外なく光物の山、その後の整理作業も重くのし掛かる。
思えば、ここは昨年の天狗谷窯跡の調査最終日に突然発見された遺跡。本来ならば、調査終了の余韻に浸って一息ついてるはずだったが、そんな期待は一瞬にして吹っ飛んだ。幸い今のところはしばらく調査の予定が入っていないため、これから頭の中の整理を進めたいと思う。
ということで、調査の総括はまた後日として、本日は、今週の調査概要をお伝えしてみたい。
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