幸平遺跡発掘調査速報

 所 在 地:佐賀県西松浦郡有田町幸平二丁目1521・1522番地
 調査主体:有田町教育委員会


 


 昨年12月15日の発見より、足早に調査準備を進めてきた幸平遺跡の発掘調査が、いよいよはじまった。
 有田の発掘調査といえば、一般的には丘陵斜面に築かれた本焼成用の登り窯跡が主体となっているため、これまで平地に位置する遺跡の調査例はわずか4例ほどに過ぎない。しかし、平地の工房で製作され、登り窯で焼成した後、ふたたび平地へと持ち込まれ、流通ないしは上絵付けの工程へと移る一連の生産の流れを考慮すれば、有田の窯業史の全体像の解明には、当然のことながら、こうした遺跡の重要性は今更述べるまでもない。実際に、これまで調査されている中で、“赤絵町遺跡”、“泉山口屋番所遺跡”、“山辺田遺跡”では、色絵磁器工房跡ないしは付近にその存在を予感させる遺構や遺物が発見されており、登り窯跡の調査では窺い知ることのできない多くの情報が得られている。
 今回調査する幸平遺跡でも、これまでお知らせしてきたように、重機による表土掘削の際に、17世紀中頃〜後半頃の色絵20数点が出土しており、あるいは、赤絵町以外で初の上絵付け工房跡である可能性も否定できない。ただし、対象面積が100平方メートル弱と少なく、おそらく一つの宅地の一部しか検出できない可能性が高いため、どこまで遺跡の性格の解明ができるかは掘ってみないと分からない。
 とりあえずここでは、随時その調査状況をお知らせしてみたいと思う。

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