染付・鉄釉壷  (小溝上窯跡/1610〜30年代)

 

 

(外面)

(内面)

 これが本当の陶磁器というものだろうか。これまで類例のない珍品である。口縁部は染付磁器製だが、胴部は内面に青海波状の当て目痕の残る典型的な鉄釉陶器製の壷である。小溝上窯跡で出土しているもので、他にも数個体ある。口縁部と胴部は焼成の際に釉で接着しており、やはり多少は無理があったのか、胴部と口縁部が剥離してしまっているものが多い。しかし、この陶片によって、陶器と磁器の生産はおのおの独立したものではなく、一つの生産システムの中で作られていることが明確に分かる。

 




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