第1040 本願の意味 〜四弘誓願と四十八願〜

 
平成24年12月27日〜

漢文のお経を 分かりやすく解説された 註釈版の聖典があります。
その最後に、主な言葉の解説があり、本願について

次のように書いてあるのを 久方ぶりに見ました。

本願という意味には 因本の願と根本の願の二つがあるといわれます。
因本の願とは、因位のときにおこされた願いということで、
この願いには、それが完成しなければ仏に成らぬという誓をともなって

いるので誓願といわれます。

この因本の願には、総願と別願とがあり、総願とは、すべての
菩薩が共通しておこすもので、「無辺の衆生を救済しようという願い、
無数の煩悩を断とうという願い、無尽の法門を知ろうという願い、
無上の仏道を成就しようという願い」いわゆる四弘誓願として

知られています。
(衆生無辺誓願度、煩悩無数誓願断、法門無尽誓願知、仏道無上誓願証)

 次に別願とは、それぞれの菩薩に特有なものであり、
これによってそれぞれの仏の性格が異なってくるのです。


阿弥陀仏が因位のときにおこされた四十八願は、この別願であり、
大経の上巻には 法蔵菩薩が世自在王仏のもとで二百一十億の
諸仏の浄土の中から粗悪なものを選び捨てて、善妙なものを

選び取り四十八願を建立されたと説かれています

 根本の願というのは、この四十八願は第十八願を根本とし、
余の四十七願は第十八願を開いた枝末の願と見ることをいいます。

そこで法然聖人は、第十八願を本願中の王といい、第十八願の念仏を

難しく劣った諸行を選び捨てて、選び取られた勝易具足の行である
というので、これを選択本願念仏と言われました。

 第十八願には、「たとひわれ仏を得たらんに、十方の衆生、
至心信楽して、わが国に生ぜんと欲ひて、乃至十念せん。

もし生ぜずは、正覚を取らじ。ただ五逆と正法を誹謗せんとをば除く」
とあります。

親鸞聖人はここに誓われてある行(=十念)、信(=至心信楽欲生)、
証(=衆生の往生)真仏土(=阿弥陀仏の成仏)をそれぞれ

第十七・十八・十一・十二・十三願に配当されました。

この五願は真実五願といわれ、「教行信証」の各巻の冒頭に
かかげられています。

これによって浄土真宗の法門は、総じていえば第十八願、開いていえば

真実五願によって成就され回向されたものであることを
知らしめられたのであります。
                註釈版 補註より

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次回は 1月3日に新しい内容に変わります。


         


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