第１０７０回　本願力にあひぬれば　　〜人生はまるで違ってくる〜

　　平成２５年　７月２５日〜

本願力にあひぬれば　むなしくすぐるひとぞなき
   　功徳の宝海みちみちて　煩悩の濁水へだてなし　　（高僧和讃、註釈版580頁）

これは　親鸞聖人が　お釈迦さまが説かれた教えの内容を　七五調の和讃に
詠んでいただいたものの一つです。

実は　みなさんの大切な方が　亡くなられお葬式の時に節をつけ　お勤めをしたものです。
悲しかったことを　思い出すから　やめてくださいと　お思いの方もあるでしょうが、
お葬式で　このご和讚を　お称えしましたのは　亡くなった方のために　
称えたのではないのです。

大切な方の方向　正面のご本尊や　お写真の方を向いて　お勤めをして
いますので、亡くなった方のために　お勤めをしているようにみえますが
そうではなく　亡くなった方からの　メッセージ　言い残したこと　伝えたい内容を　
ご導師が　大きな声で　節をつけて　ゆっくりと　印象的に　　お伝えしているのです。

一番大切な人へ　可愛い大切な人に　これだけは　言っておきたい　
言い残しておきたい、ちゃんと聞いてくれ　分かってくれという　
先だった人の思いを　僧侶の私が　代弁しているのです。

内容を　見てみますと

本願力　お念仏の教えに　出あいさえすれば　空しい人生ではなくなりますよ
仏さまが　あなたのために　一生懸命はたらいて
勝った負けた損した得した　悔しい悲しい　そうした毎日も
南無阿弥陀仏の価値観で生きていけば　充実した人生であることに
気づかされます　是非　南無阿弥陀仏の価値観を受け取ってほしい。

人間中心の価値観　だけではなく　仏さまの価値観　仏教的な価値観が
ある　それを是非　聞き取ってほしい　気づいてほしい　知ってほしいと
呼びかけておられる　そういうことです。


毎日　月忌　祥月　年忌と　家庭訪問をしています。
定期的に　お目にかかる方と　数年に一回　お会いする人
あるいは法事などで　ご親戚の方と　お話しておりますと
仏教に　ご縁にある方と　ご縁のない方　まったく　違うことを感じます。
本堂で　お話を聞いておられる方と　まったくご縁がない方とでは　まるで違います。

仏教に　ご縁がなく　世間の価値観だけで　生活しておられる方は
　世の中　間違っている　日本はこれからどうなのでしょうか
　私ほど　苦労した者はない　努力した者はない
　それなのに　私ほど　苦しんでいるものはないと　嘆かれる方が　多いものです。

こうした話を　聞かされると　非常に疲れる　自分は何でも分かっている　知っている
学校も出た　新聞も見ている　本もTVも　見て　何でも分かっている　
僧侶のあなたの話も　十分理解していると　内容を　正しく聞こうとなさらない。

自分の知識の範囲で　常識の範囲で　理解して　分かったつもりになっておられる。
見ていると　苦しそう　辛そう　世の中の不幸を独り占めしておられる　雰囲気がある。

それに比べて　南無阿弥陀仏に　ご縁にあわれたかたは
　ニコニコ　のびのび　非常に伸びやか　一緒にいても　お話しても　疲れない。
　相手のことばを　素直にお聞きになる。
　人生を　楽しんでおられる　小さなこと　当たり前のことを　喜んでおられる　
　自分の人生は　すばらしいもの　多くの人に　多くの方々に　助けられ　
　自分ほど幸せものはないと　感じておられる方が　たくさんおられます。

ですから　こうした仏教的な価値観に　気づいてほしい　分かってほしいと
先だった方々は　呼びかけておられるのです。

貴方の知らない　新しい価値観があるのだよ　それを　知ってほしい　味わってほしいと
呼びかけておられるのです。

この価値観　お念仏の教えに出あいさえすれば　人生はまるで違って見えてくる
人間に生まれてきた意味　生きがい　本当の喜びに出あうことができるものだよ、
くり返しくり返し　呼びかけておられるのです。

妙念寺電話サービス　お電話ありがとうございました。
次回は　８月１日に新しい内容に変わります

　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　私も一言（伝言板）