凡夫が仏に成る道
 
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この3月14日から京都の西本願寺では、
蓮如上人の500回遠忌の法要がはじまっています。
 
ところで、蓮如上人は第八代のご門主ですが、
24代目にあたられる現在の御門主が
ご正忌報恩講のときにお話しいただいた中に
こんな言葉がありました。
 
親鸞聖人のみ教えの大事な点は、凡夫が仏に成る道を
示してくださった、身をもって示してくださった
ところにありますが、その要は信心であることは
ご承知の通りであります。信心が正因である。         
 
今日、私たちの生き方、念仏生活を考えますとき、
さて、信心ということで、何が解決されているのか、
何は解決されていないのかということを、一度振り返って
みることも意味があるのではないかと思います。
 
親鸞聖人のお手紙 『御消息』 の中に
「 信心の定まるとき往生また定まるなり 」 という
お言葉が記されています。
 
信心が定まるときに往生が定まる。
現生正定聚とか、平生業成という言葉で
いわれてきたところでありまして、
いのち終わるときの様子や姿が問題になるのではない。
 
今ここに南無阿弥陀仏をいただく身になる、
信心が定まるということが、すべての根本で
あるということを教えてくださっています。 
 
しかし、人間生きている限り欲望が尽きることはない、
煩悩が有る限り、人間は日々新たな問題に、
課題に直面して、それらを解決して行かねばなりません。
 
これは、一人一人に与えられた未解決の問題と
いえるのではないでしょうか。
 
南無阿弥陀仏をいただく身になった者は、
阿弥陀様のお慈悲の中に、そうしたことに取り組む、
心構えも変わってくるのではないでしょうか。
 
価値観が変わるといった方もいらっしゃいますが、本当に大切な
ものは何であるかということが、明らかになってくるのです。
 
ですから、阿弥陀様に照らされ、支えられ、
共にいのちを輝かせて、歩んでいく人生でありたいものです。
 
自分のいのちを傷つけ、知らず知らず、
他の人、他の命を傷つけて、そのまま気が付かないままでは、
本当に心の豊かな人生とは言えないでありましょう。
 
共にいのちの大切さをかみしめながら、手を取って
歩んでいきたいと念願することでございます。
 
蓮如上人の願いを通じて、親鸞聖人のおこころを
新たに味わわせていただきたいと思っております。
 
親鸞聖人から24代目の現在の御門主は、このようにおっしゃっています。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、4月2日に新しい内容に変わります。
 
                          ( 平成10年 3月19日〜 第269回 )