教えて 生きる意味を

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五月の初めに、築地本願寺で行われたXジャパンの

ギター奏者であったヒデさんの葬儀のことは、

前にご紹介しましたが、

そのXジャパンのCDを手に入れて聞きましたら、

その中の一曲に、こんな歌詞がありました。

 

 もう独りでは歩けない 現代(とき)の風が強すぎて 

 アア 傷つくことなんて 慣れたはず だけど今は・・・

 変わり続けるこの時代に 変わらない愛があるなら

 

途中省略して、

 これ以上 歩けない 教えて 生きる意味を

 

とありました。

これを読んでいて感じたのは、どこかで、

聞いたことのある内容だということです。

それは、観無量寿経の中で、韋提希夫人が

お釈迦様の足元に泣きくずれ、申しあげた言葉に

非常に近いのではないか。


「世尊、わたしはこれまでに何の罪があって、

このような悪い子を生んだのでしょうか。

世尊もどういった因縁があって、

うちの子をそそのかすような、提婆達多と

親族でいらっしゃるのでしょうか。

どうか世尊、わたしのために憂いも悩みもない

世界をお教えください。

と、の言葉です。


お釈迦様は、韋提希夫人の問いに答えて、

お説きになったのが、観経です。

お釈迦様は、悩み苦しむ人びとの質問に

応える一生を送られました。  


親鸞聖人は、教行信証の最初に、

そのことをこのように書かれています。

私はいま、釈尊のお説きになられた仏教の根本原理が、

やっと明らかになったのです。煩悩をもった愚かなる凡夫は、

自らの力では、いかに懸命に努力したとしても、

無限に広がる闇黒の大海原を渡りきることはできない。


私の迷いを根源より破り、光輝く悟りの世界に

至らしめる力は、ただ阿弥陀仏の本願力のみである。

まさに弥陀の大悲の願船が、この私をして難度海を

渡らしむのであり、大悲の光明が、私の無明の闇の

一切を破るのである。


このまことに簡単で明瞭な浄土真宗の真理が、

私の全人格を根底より大きくふるわせているのです。            

親鸞聖人は、お釈迦様がお説きになった、

仏教の根本の原理が、やっと明らかになった。

それは、南無阿弥陀仏のお念仏一つであると、

味会われているのです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

次回は、6月11日に新しい内容に変わります。

                    ( 平成10年 6月 4日〜 第280回 )