ぬくもりの中に
妙念寺サービスお電話ありがとうございました。
現在蓮如上人の五百回遠忌の法要が京都のご本山では
勤められておりますが、
その法要に佐賀教区からも、おふたりの方が、
記念のご法話をいただいています。
今日は、藤原直人さんの 「 ぬくもりの中に 」 という
記念法話の一部をご紹介します。
蓮如上人は 「 摂取不捨 」 ということを、
たびたび仰せになっています。
これは、阿弥陀如来は、いつでもどこでも、
どんな人でも一緒にいてくださり、必ず救いとげ、
お護りくださるおはたらき、何とまあぬくもりのある
お働きであることかと、いうことでありましょう。
蓮如上人はわけがあって六歳のとき、お母様と生き別れなさっています。
さらに四人の奥様や七人のお子さんたちと
次々に死に別れなさっています。
そんな上人ですから 「 家族 」 とか 「 家庭 」 ということには
人一倍思いが深かったことでありましょう。
しかし、上人はご家族別れ別れに暮らしていても、
つらい時だって悲しい時だって、淋しい時だって、
つねに阿弥陀如来のぬくもりの中に生かされていることを
よろこび、力強く生き抜かれたに違いありません。
そして蓮如上人の時代は戦乱の世、激動の時代でありました。
世の人々は安らかに家庭生活を営むことなど
出来なかったことでしょう。
心のきずなも失われていたかもしれません。
そんな人々に、上人は我が身に引き当てて
「 みんな一緒に阿弥陀様のぬくもりを仰いでゆこうよ、
お念仏を申してゆこうよ 」 と、お勤めくださったようであります。
現代の私たちだってやはり心暖かい、
むつみあう家庭を営んでいるとは限りません。
それどころか家庭の問題は一番身近で一番難しい問題として
投げかけられているのです。
しかし、せめてこの五百回ご遠忌法要にお会いした私たちは、
蓮如上人のお心をいただき、これをご縁として、
家庭が一つ家に過ごせているならば
「 皆が阿弥陀様のぬくもりの中に生かされているのだよ 」 と
お内仏様の前に肩を並べて座って、お念仏を申す身と
育っていこうではありませんか。
またばらばらの生活をしなければならない時だって
「 あなたがどこにいても、どんな時だって、
あなたもこの私も阿弥陀様の光の中、ぬくもりの中に
生かされているのだよ。
そのよろこびを南無阿弥陀仏とお念仏を申させていただこう
ではないか 」 と、おすすめできる身と、成らせて頂こうでは
ありませんか。
遠忌法要・御影堂の記念法話から、
今日は、「 ぬくもりの中に 」 というお話しをご紹介しました。
妙念寺電話サービス次回は、8月20日に新しい内容に変わります。
( 平成10年 8月13日〜 第290回
)