徹底した慈悲
 
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蓮如上人の500回遠忌の記念として、
親鸞聖人のお言葉を記録した歎異抄を、
新しく現代語訳した本が、ご本山で発刊されました。
 
今日は、その歎異抄の現代語訳の一部を、ご紹介します。
 
歎異抄の第4条には、
 
「 慈悲について、聖道門と浄土門とでは違いがあります。
 
 聖道門の慈悲とは、すべてのものをあわれみ、
 いとおしみ、はぐくむことですが、
 しかし、おもいのままに救いとげることは、
 きわめて難しいことです。
 
一方、浄土門の慈悲とは、念仏して速やかに仏となり、
その大いなる慈悲の心で、思いのままにすべてのものを
救うことをいうのです。
 
この世に生きている間は、どれほどかわいそうだ、
気の毒だと思っても、思いのままに救うことは
出来ないのだから、このような慈悲は
完全なものではありません。
 
ですから、ただ念仏することだけが、
本当に徹底した大いなる慈悲の心なのです。
 
このように聖人は仰せになりました。」
歎異抄の第4条の現代語訳です。
 
私たちは、困った人がいると、あわれみ、いとおしみ、
はぐくむことが、人間としてすばらしい事だと思っています。
 
しかし、徹底してその人を救うことができません。
 
そして、しかたがないと諦めています。
 
しかし、お念仏の教えでは、
念仏してこの私が速やかに仏となり、
その大いなる慈悲の心で、思いのままにすべてのものを
救うことが出来るというのです。
 
この世に生きている間は、どれほどかわいそうだ、
気の毒だと思っても、思いのままに救うことは
出来ないのだから、
このような慈悲は完全なものではありません。
 
ですから、ただ念仏することだけが、
本当に徹底した大いなる慈悲の心なのです。
 
目先の気休めの慰めではなく、
徹底的な救いが出来る私に、
お念仏をすることで、成らせて頂きたいものです。
 
妙念寺電話サービス次回は9月3日に新しい内容に変わります。
 
 
                    ( 平成10年 8月27日〜 第292回 )