仏教は成仏の教え
 
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
9月は国民の祝日が二度もありますが、23日は秋の彼岸の中日です。
春と秋の彼岸の中日は、仏教行事が国民の祝日になったものです。
 
ところで、一口に仏教と言いますが、お釈迦様の教えも国により時代により
受け取り方がまったく違って来ました。
 
その中でも、浄土真宗の教えは、一般の常識とは大きく違って
いるところがあります。
 
同じように南無阿弥陀仏とお念仏をする浄土宗とも、
実のところかなり違います。
特に、浄土に生まれるということ、「 往生 」 ということについても、
浄土真宗の特色が現れています。
 
一般に浄土にうまれたいと願うのは、浄土は環境がよくて修行するのに
適しており、その修行が後退する心配のない世界であるからのように、
理解されています。
迷いの世界から抜け出して、まずは浄土に生まれて、それから修行を
進めていき、やがて仏に成るという考え方があります。
 
ところが浄土真宗では、あの世ではなく、この世において、
信心を得たその時に、かならず仏に成るべき身に定まると説かれています。
 
浄土に往生してあらためて修行するのではありません。
 
とはいえ、生身の肉体を持っている間は、仏に成ることはできません。
しかし、仏になる因はすでに満足しているわけですから、肉体が滅する時、
すなわち命終るその時に仏に成らせていただくわけです。
 
親鸞聖人はそのことを、
臨終の一念の夕べ、大般涅槃を超証す。
と表現されています。
 
そしてこのように浄土に往生すると同時に仏になる、往生即成仏といいます。
仏になってすべてが終わるのではなく、直ちに衆生救済のはたらき、
この世に帰って衆生救済ができる。
これを還相といいますが、還相の働きをはじめることになるわけです。
 
親鸞聖人が説かれた教えは、浄土に往生するための教えではなく、
仏に成る教え、成仏の教えです。
 
お浄土は、お念仏する私が必ず生まれ、仏に成らせていただくところ。
そして、そこにじっと留まるのではなく、南無阿弥陀仏の言葉の仏さまと
なって働かせていただくのです。
 
すでに仏に成られた先輩たちが働きかけていただいていることを、
この秋の彼岸をご縁にお念仏とともにじっくりと味合わせて
いただきたいものです。
 
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、9月24日に新しい内容に変わります。
 
 
                               ( 平成 10年 9月19日 〜 第295回)