第348回 巡番報恩講の季節です
平成11年9月23日〜29日まで
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
「暑さ寒さも彼岸まで」ということをいいますが、
今年は、彼岸の入りになっても、夏の暑さが
ぶり返したように暑い日が続いています。
佐賀地方の伝統行事である巡番報恩講は、
今年は、新しい本堂が完成した専光寺さんで
9月29日から始まります。
今宿町の精霊流しが行われるすぐ横のお寺です。
浄土真宗では、精霊流しは行いませんが、
スタートの地点と、そのすぐ下流に、なぜか
浄土真宗の寺院があり、精霊流しの主催者の
ように、誤解されていましたが、今回は道路の
拡張工事も行われましたので、お寺の入り口を、
川とは反対の西の方に変えられました。
木造の本堂が、新築になったのは,佐賀組内では
戦後初めてのようですが、この前の本堂の落成記念の
法要をご記憶の方がご健在でしょうか。
この29日からの専光寺さんでの巡番報恩講
へ、新しい本堂にどうぞご参拝ください。
ところで、佐賀地方だけになぜこうした巡番報恩講
が始まったのか、いつ頃からはじまったのか
よくわかりませんが、佐賀組の場合には、22ケ寺
の内,21ケ寺が、春と秋の彼岸ごろに、5日間
佐賀組の報恩講の会所となり、合同の報恩講を
続けてきました。
自転車や自動車といった乗り物がない時代でも
それぞれのお寺の距離はそう遠いものでは
ありません。そこで、巡番に報恩講を勤めつることに
したのでしょうが、佐賀県全体に広がっているところを
見ますと、自主的に決めたことではなく、
何かの力が加わってそのように決められたのでは
ないかと感じます。
私どもの妙念寺には、佐賀鍋島藩から、お芝居
などの興行を計画実施することを許すという許可書が
あったようです。
人々が多数集まる行事には、ちゃんと許しが必要で
あったようです。
城内のお寺が一斉にお彼岸の法座を開くのでは、
大事な働き手を取られてしまうことになり、藩の
お役人は、交替でおこなうように指導したのでしょうか。
このことは裏をかえせば、真宗のご門徒は、ご法座が
開かれれば、まわりに目立つほどに多くの方々が
参拝されていたのではないかとも感じます。
それは、お年寄りだけではなく、働き手の若い方も
子供も法座に連なったのでしょう。
それだけ、報恩講でお念仏に出会うことが喜びで
あったのだろうと思います。
現代では、娯楽はいろいろとありますが、心の中から
喜びが得られるものは、果たしてなにがあるのでしょうか。
それだけ、報恩講でお念仏に出会うことの喜びが
あったのだろうと思います。
目先の喜びだけにあたふたとしないで、先輩たちが
喜ばれ、そして伝えていただいたお念仏の喜びを
もう一度見なおし、味わわせて頂きたいものです。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、9月30日に新しい内容に変わります。