子供のことを思うなら
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
世の中は、次々に事件が起こるもので、小さな子供さんが
行方不明になって探していたら、実は近くの主婦で
同じ幼稚園に子供を通わす、顔馴染みのお母さんが
犯人だったと、悲しいニュースが放送されています。
詳しい事情はまだわからないものの、有名幼稚園や
大学の付属小学校の受験、“お受験”がからんで
いたのではとか、公園での遊びのトラブルではないかとか、
人間関係の複雑さが原因ではないかと、憶測しています。
子供の幸せを願って、少しでも良い遊び場所を、
良い学校へとの親心が、悲しい結果を招いたのでしょうが、
誰かが格付けしたものをそのまま受け入れ、名前の知れた
学校へ入学させてやりたい。
いや、小学校からでは遅い、幼稚園からでなければと
激しい競争を生み出しているのも問題の一つのようです。
学校がすべてではないのですから、深刻に考えることではない、
自分は大丈夫と思っていますが、周りが一斉に走りだすと、
遅れまいとして自分を失ってしまうのが人間です。
現在の不景気の原因の一つであるバブルの時も、
それ土地が値上がりする、株が儲かる、マンションが
不足しているビルを建てねばと、多くの人が一斉に走ってしまい、
また一斉に中止してしまったことが、経済をマヒさせた
原因のようです。
こうした大きなことだけではなく、子供のお宮参りや、
七五三なども皆がやっているので、子供のためと、
足並みをそろえていますが、本当に子供のことを思うのなら、
もっと子供の為になることに、心を配ることが必要ではないかと、
感じます。
その一つが、知識中心の教育だけでなく、情操の教育の
重要性です。
それには、お仏壇を中心とした家庭生活と、手を合わす
毎日の生活がいかに大事であるかを考えて見るべきでしょう。
人間を見るのに、肩書や職業や出身学校や外見などだけで
見るのではなく、誰かが言う評価ではなく、自分の価値観を
養うことが、大事だと思います。
品物や芸術品を見るときと同じく、正札や金額などだけで
見るのではなく、自分の目で判断する力が大事ではないかと
思います。
その力を養う最も的確な道は、お念仏に出会い、お念仏に
支えられた生活で培われていくのだと感じます。
何にもまして重要な本物を見る目は、知識教育では
養われずに、家族そろって、毎日のお念仏の生活で
培われていくものだと思います。本当に子供のことを
考えるのなら、まずは、お念仏と一緒の生活を送らせて
いただくことが大事です。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、12月9日に新しい内容に変わります。
(平成 11年 12月 2日 〜 第358回)