あーそうなのか
 

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
不景気不景気と言いながら、暮れのボーナスが出たようで、

町の中はいつになく賑わい、師走のせわしさが感じられます。



ところで、買い物をするときに、すぐ決断が出来る人と、

なかなか迷って時間がかかる人とがあります。

あれを見てこれを見て、もっと良いものが有るのではないかと、

捜し回って、理想のものを探すのは大変なことです。
買い物ばかりではなく、人生の岐路にさしかかったときも、

なかなか方針が決まらないことがあります。右に行くのか

左に行くのか、
もし、決めても、すぐにああすれば良かった、こうすれば

良かったと、反省したり、悔やんだり、もっと良い判断が

あったのではないかと、くよくよするものです。
こう考えているとき、ああそうだったかと思いあたりました。


大無量寿経にある内容です。

法蔵菩薩が理想の国をつくりたいと願われた時のことです。
最上の国をと願われ、比較するのに、百や千ではなく、

なんと二百一十億もの仏の国々を見て、そこに住んで居る

人々の善い面も悪い面もすべてご覧になり、良いところだけを

選び取り、最高の国土をととのえられたとあります。
二百一十億もの国土を比べてご覧になったということは、

すべての国に住むありとあらゆる人々の悩みも苦しみも迷いも、

漏らさず知り尽くした上で、そのすべてを解決することのできる

お浄土を、造ろうとされたのです。



 私たちが、もっと良い教えがあるのではないか。

もっとすばらしい国が有るのではないか。

もっと理想の人生があるのではないかと、迷うことも、

ちゃんと知った上で、数多くの国を見て、もうこれ以上の

ものはない、最高のお浄土を宇宙的な時間をかけて

完成されたのです。



そして、そこに行くには、難しいことをいっても、無理だと

ちゃんと分かって、お浄土こそが最も優れた国土で

あるとのお釈迦様の言葉を信じ、ただお念仏を

することだけで、間違いなく、生まれさせようと

説かれているのです。



 人間の小さな知恵で考え、迷わず、任せよと

おっしゃることに、ハイとお任せすればいいのです。
そして、私は、今、私が出来ることを、精一杯努力させて

いただき、この人生をウロウロキヨロキョロせずに力強く

生きたいものです。 



もっと、良いところが、もっと良い世界があるのではないか

と探し回っても、お浄土こそが最高の世界であり、

そこに生まれて、仏様に成ることの意味を味わい、

地獄の世界を理想としてあこがれるのではく、

お浄土を味わう南無阿弥陀仏とお念仏をする

日暮らしこそが、最も生きがいの有る、豊かな生活であると

教えていただいているのです。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

次回は、十二月二十三日に新しい内容に変わります。
 
                          ( 平成 11年 12月 16日〜  第360回)