最高のプレゼント


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
今年もいよいよ残り少なくなり、間もなく新しい年を
迎えます。
ところで、本願寺新報という本願寺派の新聞に、
「お寺に行こう、無宗教からの出発」という
連載記事があり、今回は、『サンタがやって来た』と
いう記事が目に入りました。
武蔵野女子大学の本多先生の連載ですが、
それを読みながら感じました。
 ある仏教系の大学でアンケート調査をしたところ、
四月八日、十二月八日という仏教と関係深い日を、
正しく答えることが出来た人は、非常に少なかった
といいます。
四月八日は、お釈迦様の生誕の日ですが、
正しい答えは、23%。また十二月八日のお釈迦様が
おさとりを開かれた日は、わずか2%だったそうです。         
しかも、その中には仏教学を専攻する学生が一割も
含まれていたということです。
 そういう先生も、仏教を教えておられますが、
仏教学の講義を受講している学生からクリスマスの
プレゼントが届くそうです。
二月十四日のチョコレートの日や十二月二十四日の
ケーキの日は、若者ばかりではなく、今や日本国民の
年中行事になっていますのに、仏教の記念日は、
ほとんど知られていないのが現状です。
といっても、クリスマスは何の日かを尋ねると、
よく知らない学生が多いことを思うと、日本人の
宗教感覚が乏しいことがはっきりしてきます。
 しかし、仕方がないと手をこまねいているのでは、
神と仏の違いも分からず、生かされているのは
「おかげさま」ではなく、生きていくには「お金さま」だ
という人ばかりが増えてしまいそうです。
レストランでのこと、幼稚園で習ったのか、
「いただきます」と手を合わせた子供に、若いお母さんが
「お金をちゃんと払っているので、ここではそんなことは
しなくていいの」と言っているのを見たという話もあります。
 純粋な子供たちはこの年末年始、サンタさんからの
プレゼントやお年玉を楽しみに待っています。
しかし、本当に子供のこと孫のことを可愛いと思うのなら、
品物のプレゼントだけを渡すのではなく、

生かされていることの素晴らしさに気づかせて
いただいた如来様に出会えた深い感動と静かな喜びを、
自分のものだけにしないで、子や孫にも伝え残して
いきたいものです。
「南無阿弥陀仏」のプレゼントこそが、瞬間の喜びで
消えてしまわない、子供の頃の思い出だけに終わらない、
一生涯を通したもっとも大きな贈り物ではないかと思います。
人生を深く味わうことのできる真実の教えを今こそ、
もっとも大事な人達に、ちゃんとプレゼントして
あげたいものです。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、一月一日に新しい内容に変わります。                   
 
 
        平成十一年十二月二十日号
    本願寺新報  本多静芳師を読んで
             ( 平成 11年 12月 23日 〜 31日 第361回)