第369回 どうゆう境遇に おかれても

               平成12年 2月 17日〜

妙念寺電話サービス、お電話ありがとうございました。
悪い風邪が流行っているようです、お変わりありませんか。

さて、2月の法話カレンダーには、

「 どういう境遇に おかれても  生きぬく力 それが信心 」

という、10年ほど前に亡くなられた、福井県の米沢英雄さんの
言葉が書かれています。


米沢さんは明治43年生まれのお医者さんですが、浄土真宗に
深く帰依し、講演活動など伝道教化につとめられた方でした。


また、こんな事も書いておられます。
「 仏の智慧というのは、何も特別なものではないので、
  自分は自我の固まりであり、自分の都合のいいようにしか
  考えておらない、エゴイズムの固まりであることを私自身に
  知らせて下さる、それを仏の智慧というのである。

  つまり、人間の智慧とは、いろいろ考えをめぐらして自分の
  都合よくいくようにはからうことで、子どもが都合よくいくように、
  家族が都合よくいくようにはかろうことで、それも大切なことで
  あります。

  けれども、そういう智慧は行き詰まるばあいがあります。 」


  と書いておられます。

人間の智慧、知識では解決出来ない問題が多いものの、
それを乗り越えていく力を与えられるのが信心であると、
いわれるのです。


「 どういう境遇に おかれても  生きぬく力 それが信心 」
こうした
生き方をされたお一人、甲斐和里子さんも
このような歌を、読んでおられます。


 「 岩もあり 木の根もあれど さらさらと
           たださらさらと 水の流るる」

念仏の生活全体を渓流の流れに例え。
人生は、岩や木にも相当する、さまざまな障害に、
次々に出会うものです。


けれども、念仏に生かされているなら、どんな障害に
当たっても、渓流の水がさらさらと流れていくように、
念仏に力づけられ、よろこびのなかに人生を送ることが
できるとのこころです。


そして、そうした障りが、障害があったからこそ仏の真実に
出遇うことができたのだと、受けとらせていただくことで、
どんな苦悩をも乗り越えて生きていける世界が開かれて
いくものと米沢英雄さんは味わっておられます。 

「 どういう境遇に おかれても
  生きぬく力 それが信心 」

お医者さんであった、米沢英雄さんの言葉のように、どんな
境遇に出会っても、お念仏とともに、力強く生きて
いきたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、2月24日に新しい内容に変わります。



 本願寺出版社 仏とともに  ー月々のことばー(平成12年)
        大田利生師著を参照