第380回 境内を荘厳す

   平成12年 5月4日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

五十年余り妙念寺の住職を勤めていた前住職が、
4月25日に85歳でなくなりました。


皆さんよくご存じのように、冗談好きな明るい
住職でしたが、昨年の十二月中旬から入院して
治療をしておりました。


ほんの一週間ほど前まで、言葉もはっきりしており
看護婦さん一人一人に、お釈迦さまの対機説法ならぬ、
冗談を一人一人使い分けたり、それぞれに労を
ねぎらったりしておりました。


また、お昼時、見舞いに行くと、ワシは食べられんので
食べていかんねと、病院食を勧めてくれたり、いつも
周りに気づかっておりました。


仏様が、衆生を先に、己を後のように、今から思えば、
お念仏の教えを最後まで実践していたようであります。


妙念寺の山号が「小倉山」のためか、筆にした書や
色紙には、「倉山」の号が多く見られます。


皆さんよくご承知の通り、囲碁がとても好きでしたが、
それとともに植物もまた大好きでした。


妙念寺の境内の樹木や草花は、前住職が六十年間
あまりにわたって手入れをしてくれたたまものです。


お経に聞くお浄土のように、お寺の境内を四季の花で
美しく飾りたかったのだと思います。
どうぞ、美しい花を目にしたとき、あるいは倉山の雅号に
接したときには、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と口にして
いただければ、阿弥陀如来さまと同体のさとりを得た
前住職が、最も喜ぶことと存じます。


 最後まで、気にしておりましたのは、四年後、
平成十六年秋の巡番報恩講のことです。

 往生即成仏の教えですので、すでにお浄土で
阿弥陀如来と同体のさとりをひらき、導いてくれて
いると思いますが、なかなかその働きを味わえない
私たちでございます。


そこで、この世の皆様方がこれまで以上によろしく
ご指導をいただきますようお願いいたしますと
ともに、長年のご厚情心よりお礼申し上げます。、


また、門徒葬を、5月13日土曜日の午後2時から
勤めていただくことになっています。


今後ともよろしくご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、5月11日に新しい内容に変わります。