第402回 一道をゆく

   平成12年 10月 5日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
オリンピックが終わりました。


特に今回は、日本の場合、女性の活躍が印象に
残っています。       

柔道、水泳、ソフト、それに、何といっても女子マラソンです。
小柄な体で堂々の金メダルでした。


起伏の多い道を四十二キロ余りも走り抜いての優勝でしたが、
監督さんの言葉に、一番苦しく大変な所の近くに宿泊して、
毎日、毎日、そこを何度も何度も走って、こここそが勝負だ
こここそが勝負だと、体で覚えていたという話は、感動的でした。



ところで、同じ道でも、仏教の道

「一道をゆく」という、三宮義信先生の文章に出会いました。


『  私たちの人生を、旅にたとえたり航海にたとえたりします。
  人生という荒海をひたすら進む船、船は私です。


  波風の荒い海をいかにして航海するのか、人生をいかに
  生きていくのか、それは今日の私たちに極めて
  大切なことです。


  その生き方には、いろいろあるでしょう。

  歎異抄には、

  この世において阿弥陀仏の本願を信じ、浄土に
  往生してさとりを開く


  という生き方を教えています。


  「 浄土に向かってさとりを開く 」 という港に向かって、
  「 本願を信じる 」 人生を歩めというのです。



   私たちの人生は、さまざまな障害にみちています。
  その中を、つまずき、ころび、傷つきながらひたすら
  生きているのが私たちの現実の姿です。


  そういう生々しい人生を、阿弥陀仏のご本願を信じて
  生きていくときに、だれもが、なにものにもさまたげられる
  ことのない人生を歩む力がわいてきます。


  往生浄土のみ教えが、今日一日の私の正しく生きる力に
  なってくださいます。



   十月には大谷本廟の報恩講がつとまります。
  龍谷会といいます。九十年の人生をお念仏に
  生きられた親鸞聖人を偲びながら、あなたも、
  静かに祖廟にぬかずいてください。


  そして、今日までの自分の人生をふりかえり、
  これからは、お念仏を称えて、一日一日を
  お浄土に向かって歩むように、心がけてください。 』


という文章です。

私の進む道は、私の毎日はどこへ向かっている人生か、
自分の欲望のままに、地位や名誉や財産を求めて行く
人生ではなく、お浄土に向かって南无阿弥陀仏を口にして
歩むよう、心掛けていきたいものです。 


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、十月十二日に新しい内容に変わります。



  大乗 12年10月号
  巻頭言「一道をゆく」三宮義信師より