第403回 最新の情報で

  平成12年 10月12日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
一年の中で一番気候もよく過ごし安い時期となりました。


読書の秋といいますが、年を重ねると目が不自由になり、
書物から遠ざかるものです。


ところが、90歳まで活躍された親鸞聖人は、80歳半ばに
なっても、たくさんの書物を著していただいています。


正像末和讚などもその一つですが、この時期から
少し変えて書いておられます。


七高僧のお一人、「天親菩薩」のことを、「世親菩薩」と
お書きになり始めます。


正信偈では、「天親菩薩」です。

同じ人物なのにどうしてこのように変えてお書きに
なったのか、それには理由がありました。


言うまでもなくお経は中国から日本に伝わってきました。
その中国もインドから伝わったお経を、中国語に
翻訳したのです。


その翻訳も、一度や二度ではなく、何度も何度も
繰り返し翻訳されました。


そして、親鸞聖人は、晩年80歳を過ぎて、唐の時代に
新しく翻訳された聖教に出会われたようです。


ですから、80歳半ばからは、新しい翻訳に従って、
「天親菩薩」のことを、「世親菩薩」とお書きいただくように
なったようです。


同じく、「衆生」という言葉も、新しい訳では、「有情」と
いう言葉がつたわりました。


それも早速に「有情」の言葉を受け入れ使っておられます。

今、私たちも新しい情報が入って、右往左往しています。

若いときならともかく、年を取るとこうした新しいことに
取り組む意欲をなくしてしまうものです。


しかし、親鸞聖人は、80歳過ぎても、新しい情報に
接すると、すぐにその情報を取りいれて、私たちに
真実の教えを伝えていただいています。


このため同じご和讚でも、お若い頃に読まれた歌と、
高齢になって読まれた歌とでは、言葉の違いが
出て来たのです。



 ところで県庁所在地を中心に、インターネットのために
専用電話回線を個人でも使わせてくれるようになりました。


大きな会社と同じように、それぞれの家庭でも世界と
常時つながる時代になったのです。


私たちも親鸞聖人のように、いくつになっても、
立ち止まる事なく、真実の力強いお念仏の
生活をしたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、10月19日に新しい内容に変わります。