第416回 元旦の朝のように
平成13年 1月 11日〜

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 今年の元旦は、有明海から出る朝日を見ようと、
出掛けてみました。

朝のお勤めの後ですので、途中で明るくなってきて、海までは
無理、せめて空港通りの一段と高い橋上から、田園の初日の出を
見ようと方針を変えましたが、早朝にもかかわらず、車が多く、
また前の車がゆっくり走り、思うように進みません。
そのうち朝焼けが見えて来ました。


やっと目指す橋に近付くと、なんと、考えることはみな同じようで、
もう橋の上は、両側とも一睡の余地のないように車が止まって、
大勢の人の姿が見えます。


本堂でのお勤めの黒い衣のまま着替えずに出てきましたので、
車を降りるのを諦め、そのまま進むうち真っ赤な太陽が出てきました。
黒い雲に隠れていたのか、あっというまに姿を現し、まばゆい
ばかりでした。


佐賀空港の駐車場で方向転換をしようと進んでいくと、空港の
駐車場はもちろん、道路にまで、車があふれ出ており、ユータウン
どころではありません。


 元旦は、いつものとおり、一夜あけただけなのに、新しい年とか、
新しい世紀、21世紀とか、いつもとは違う気持ちになって、皆さん
そろって早起きして来たのでしょう。


こうした元旦の朝の気持ちのように、毎朝、毎朝、365日、
新鮮な気持ちで、朝を迎えることが出来たら、どれだけ人生は
豊かだろうかと思います。

毎朝毎朝、早起きして、日の出を見て、新しい気持ちで、
一日をスタートするひとは、きっと充実した一日が、充実し
人生が味わえるだろうと思います。


昔から、太陽に向かって手を会わすひとは多かったようですが、
浄土真宗の人は、毎朝家族そろって正信偈をあげ、ご和讚を
正月も、お盆も、くり読みしていました。

当然、仕事の前ですから、暗いうちに起き出し、お勤めをしたあと、
日の出を見る生活を繰り返していたことだと思います。


 ところで、日曜大河ドラマは、今年は、北条時宗がスタートしました。
年代を見ておりますと、親鸞聖人が80歳半ばで、浄土和讚、
高僧和讚などの、ご和讚を多数読んでいただいた時代のようです。


本願力にあひぬれば、むなしくすぐるひとぞなき、
功徳の宝海みちみちて、煩悩の濁水へだてなし、
との歌は、今年の日曜大河ドラマと同じ時代にうたわれたものです。


 元旦の朝のあの新鮮さ、すがすがしさと同じように、お念仏とともに
仏になる仲間として、毎日毎日を喜びのうちに送らせていただくことが、
空しくない人生だと味わいます。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、1月18日に新しい内容に変わります。