第438回 人間らしく生きる

 平成13年 6月14日〜
妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。

ところで、こんな言葉をよく聞きます。
「いろいろ宗教があるが、方法論は違っても、行き着く先は、
皆同じではないですか」というものです。


一口に宗教といっても、いろいろの教えがあります。
仏教でさえ、多種多様です。


では、浄土真宗は、どんな宗教か、他の宗派とどう違うのか。

ちょっと考えてください。

宗教の中で、その多くは、恐怖感を増長させて、それを
鎮めるマッチポンプ的なものが多くあります。
恐怖感や不安を与えておいて、それを鎮めてやるという宗教。


これは、宗教だけではなく、医療の世界や教育の世界でも
同じことが言えます。


不安を与えて、自分の方に注目させ、それをいろいろの
手立てで解決しようとする。


これが行き過ぎると、それはもう犯罪です。 
また、御利益型といえるものがあります。


努力すれば願いが叶えられる、御褒美を与える、
健康になる長生きできる、ギブアンドテイクの宗教。
御利益が少ないのは努力が足りない。
さあ頑張ろう。


そして、受験進学塾のように、目標をさだめてひたすら
努力すれば、成果が得られる、いま少しの時間苦労して
おけば、後は楽にくらせる。
頑張ろうという宗教もあります。


親鸞聖人の比叡山での修行はこうしたものだったと思います。


 ところが、浄土真宗は、これらとは、まったく違い、
恐怖感を与えない宗教で、御利益が新たに手に入るとも
言いません。


また、努力すれば願いが叶えられる、御褒美を与えられる
とも言いません。


浄土真宗は報恩感謝の宗教です。

ところが、この報恩感謝ということが、一般の常識では
最も理解出来ないものです。  


特に、「成せばなる成さねばならぬ」、「頑張ったので
御褒美あげる」ですと、子供でも理解出来るのですが、
報恩感謝はなかなか理解出来ないものです。



 そして、これを自力と他力、分けると、報恩感謝の
浄土真宗だけが他力でその他は、みな自力の教えで
あるといえます。


他力、浄土真宗は、一般の常識ではどうしても、理解出来
ないものですが、お聴聞し、お念仏の生活を始めると、
自分さえ豊かで楽しければよいという、協調性のない
エゴイズムに片寄った現代の常識、自己中心主義を
破って、正しく現実を知らせる教えです。


人間らしくのびのびと力強く生きることができる教えです。

そして、これは家庭の中で、親から子へ、子から孫へと
伝わっていき、真の幸せ、真の喜びを得ることが出来るのが
お念仏の教えです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、6月21日に新しい内容に変わります。