第466回 愛敬父母 (あいきょうぶも)

平成13年 12月27日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

待たれていた内親王誕生、そして命名、敬宮愛子さまの
名前が、たまたま当妙念寺のある愛敬町とぴったりだった
ために、近くの愛敬駐車場の看板とともに妙念寺の全景が
全国ニュースで紹介されました。


愛敬町も有名になったものです。ところで、この愛敬町の
愛敬は、お経の中にも出て来ます。仏説無量寿経の
最初の所にあります。


お釈迦さまが大経を説かれた王舎城の耆闍崛山、
そのお説教の座には1万2千人のお弟子と共に、
多くの菩薩方がいました。


これらの菩薩さまは、仏様と同じ働きをしておられる
方々でありますが、

「すすんで人々に尊い教えを説き与えることは、親孝行な
子が父母を敬愛するようである」と説かれています。


一般に仏様を親に例えて、親が子を思うようにとの
例えはよく聞かれます。


しかし、ここでは、親孝行な子供が、その父母を
敬愛するように、尊い教えを説き与えると説かれています。


誰でも親の思い、愛情、そしてその恩については少しは
理解できるものですが、その親の愛情とはちがって、
親孝行な子供が親を敬愛するようにと説かれています。


これは、親からの愛情を受け取っているばかりで、
親孝行を実践したことのない人にはなかなか
理解できないことです。


そして、この私が、親として子供から敬愛されるように、
菩薩さまは、この私のために尊い教えを説き与えて
いただいているというのです。


親から子へではなく、子が親を思うように、この私の
為に教えを説いていただいているというのです。


親が子供に教えて上げるのではなく、孝行な子供が
父母に分かっていただきたいと教えを説くと表現されています。


子供から頼まれているように、尊い教えを与えていただいている。

これを味わってみると大変貴重なことです。
敬愛ということは、愛敬という言葉がこうした意味で使われて
いるのです。


どうぞ尊い教えに出会っていただきたい、お念仏に
出会っていただきたいと、わが子から希われているのだと
味わうと、何とも言えない喜びが感じられるものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、1月3日に新しい内容に変わります。