第484回 誕 生

 
平成14年 5月 2日〜

 妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
佐賀地方にだけ住んでいる天然記念物のカチガラス(カササギ)の
巣作りが始まっています。

街の中では高い木が少ないので、電柱に巣作りをしていますが、
もうすぐ雛が誕生を迎えることでしょう。

ところで、誕生といえば、人間も三度誕生してはじめて人間になると
言った方があります。
まずは、赤ちゃんとしてこの世に生まれ、やがて思春期、自我が誕生し、
自己という認識が出てきます。
これで大人になったのかというと、そうではなく、本当の人間になるには、
宗教と出会い初めて人間らしい人間になると言われるのです。

現代は、この第二の誕生までは迎えるものの、多くの人が宗教と出会う
ことが出来ないために、自己中心的で、人間に成り切れない人が
氾濫しているのではないでしょうか。


では、宗教に出会うということは、どういうことでしょう。

宗教に出会うことで、見えないものが見えてくる、当たり前と思っていた
ことがそうではなくなってくる。
気づかなかった感覚や新たな価値観を持つことが出来る、まったく
新しい世界が開けるのです。


それは、メガネをかけると、はっきり見えるように、顕微鏡や望遠鏡に
よって新たなものが発見出来るように、ビデオに映る自分の姿に、
本当の自分を知るのに似て、教えに出会うことで、今まで聞こえ
なかったことが聞こえ、気づかなかったことに気づき、感じなかった
ことが感じられるようになるのです。


いつもお勤めの最後に、
「よろこぶこころ身に得れば、さとりかならずさだまらん」と口にしていますが、
平凡な毎日の中でも、あるいは苦しみ悲しみ痛み絶望の中でさえ、
はっきりと喜びと希望を感じさせてもらえるもの。それが宗教であり、
お念仏の教えだと思います。

お念仏の教えに出会えたお蔭で、どんなことにであっても、どんな事件に
遭遇しても、生きがいある喜び多い人生を歩ませていただき、やがて
お浄土へ往生させていただくのです。


往生とは、お浄土へ往き、生まれさせていただくこと、私にとって、
最後の第四の誕生です。
仏さまの仲間に生まれさせていただく、必ず救う浄土へ生まれさせる
との教え、今はその準備期間中です。


そして、その教えをこの私へ伝えて頂いた方、それが、親鸞聖人です。
5月21日は、親鸞聖人の誕生日、降誕会です。
「お蔭さまで喜び多い毎日をおくらせていただいています」と
降誕会とともに、自分の誕生日も心から喜べる人生でありたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、5月9日に新しい内容に変わります。