第518回 喜びはここに

 平成14年 12月26日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

ラジオを聞いていましたら、一日一度は喜び、
一度は感謝し、一度は人を笑わすようにしよう、
これが元気に毎日を過ごすコツだと、視聴者からの
手紙を紹介していました。

このお便りを聞きながら、思いました。
なんとか探し出してでも、一日に一つは喜び、
一つでいいから感謝する、そして、人を笑わせる
ことを勧めておられますが、それなら、何も苦労して
探し回らなくても、無理して思いつかなくても、
いいのにと感じました。


それは、ただお念仏を口にすることで、一日一つと
言わずに、多くの喜びを感じ、感謝の気持ちが
沸き起ってくることをご存じない方なのだろうと、
思いました。


 人間同士の常識の世界では、人から感謝して
もらうことは沢山あるものの、自分が感謝しなければ
ならないことなど、非常に少ないものです。


競争社会の価値観では、心から喜べることなど
非常にすくないものです。

たとえ喜んだとしても、次の瞬間、すぐに消え去って
しまい、悔しさや惨めさやあきらめに変わっていくものです。


 ところが、お念仏の世界に入らせていただくと、
毎日の生活で、私がやっていることは、人様に
感謝してもらえるようなことは、何一つ行ってはいなく、
心から喜びを感じることが出来るような原因を、
何一つとして、作っていないことに気づかされる
ものです。


そして、阿弥陀さまは、そうした私のことを心配して、
私が毎日作っている地獄行きの原因をみんな
消し去って、お浄土へ生まれさせなければならないと、
お念仏を与えていただいたのです。


悲しみ苦しみしか受け取ることが出来ないこの私が、
あまりにも可愛そうだと、ご自分が苦労し努力して、
お念仏を与えお浄土へ生まれさせると
おっしゃるのです。


一人残らずお浄土へ、喜び一杯のお浄土へ、
生きがいあるお浄土へ生まれさせるというのが、
阿弥陀如来の願いであり、お念仏の働きです。


そのことを知らされ感じさせていただくと、
小さな喜びを探し回らなくても、感謝することを
捜し求めなくても、究極の喜びを与えて
いただいている。


そう、気づかされると、喜びと感謝の気持ちが
一杯に感じさせていただけるものです。


そして、お念仏を口にするとき、あれもこれも
みんな感謝していいことばかりだったのに、
今まで気づかずにいたことに気づかせて
いただけるのです。


これこそ、最も喜びの多い、感謝が絶えない
源であったと、それがお念仏だったと味わわさせて
いただきました。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、1月1日に新しい内容に変わります。