第552回 家族そろって

 平成15年 8月21日〜

妙念寺電話サービスお電話有り難うございます。
夏も終わりに近づいていますが、この夏のお盆のお参りに
伺いながら感じました。


事前に葉書で大体の訪問時間をお知らせしているせいか、
家族あげてお参りいただく家庭が、だんだんと増えてきました。


お留守番の方お一人でという家庭が多かったのが、お孫さんや
近くに住むお子さんまでが集合していただき、ほんとうにう
れしく思います。


本堂で行う法要に参加のために、自宅訪問を辞退していただいた
お宅が多い日には、予定より少々早くなった所がありましたが、
あわてて電話で呼び戻されたり、もうすぐ帰って来るのにと
残念がられたり、お待ちいただいていたことが感じられました。


 これが、一日に多くのお宅に伺う時期でなければ、じっくりと
落ち着いて、もっと沢山のお話ができるのにと、誠に残念です。


  何かのご縁がないと、なかなか皆さんにお目にかかることも
出来ないのですから、つくづく有り難い行事だと感じました。

浄土真宗の最大の行事は報恩講でした。
親鸞聖人のご命日のころ、各家庭ではお取り越しの報恩講を
営んできました。


収穫が終わった秋から一月の中旬まで、それぞれのお宅では、
家族親戚は勿論、ご近所も招待して報恩講のお勤めをして
いたようです。
今でも地方ではその風習が残っているようですが、子どもたちに
とっては一年でもっともうれしい季節だったと思われます。


近所の友達の家に声をかけて周り、皆でお正信偈を声たかだかに
唱和して、お話を聞き、それから日頃なかなか口に出来ない
お菓子や、御馳走にありつくことが出来たからです。


一軒だけで終わるのではなく、次の日もまた次の日も近所を
順番に回っての報恩講。


毎日毎日、大勢で正信偈を上げ、友達と一緒の楽しい行事
だったと思われます。


お菓子や果物、食べ物など物がないころ、またTVもない
娯楽が少なかった時代には、報恩講が、最も楽しい行事
だったようです。


 それぞれの家庭で、朝晩お正信偈をあげるだけでなく、
こうして近所、親戚が集まって、報恩講を開くことで、お念仏の
教えは数百年の間、脈々と伝わってきたのです。


お盆のお参りをしながら、各家庭での報恩講の復活が
出来れば有り難いことだなあと、つくづく感じました。


年忌法要は、数年に一回です。そして悲しみを伴い、
子どもたちもはしゃぐことが、はばかられる雰囲気があります。

また親戚が中心で、近所の子どもまで全員参加とは、
なかなかいかないものです。


報恩講であれば、毎年行うことが出来、また子どもたちも
堂々と参加出来、楽しくお法を伝えて行くことが出来そうです。


この夏、部屋一杯に集まられたご家族とともにお勤めし、
お話をしながら、つくづくともっとゆっくりした時間に伺いたい
ものだと残念でなりませんでした。


どうか、全員で参加出来るご縁をつくっていただくことを、
復活していただくことを、期待しております。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、8月28日に新しい内容に変わります。