第619回 不可思議な力

 平成16年 12月 2日~

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

こんな話を聞きました。


私たちは、親の世代から遺伝子を通して大きな情報を受け取っています。
その情報の量は、千ページの本が、千冊分にも当たる膨大な情報だといいます。


しかし、この受け取った情報のほんの一部、5パーセントぐらいしか、表に表れず、
その大半は眠ったままで、次の世代に受け継がれていくそうです。


ですから、同じ兄弟でもそれぞれに個性の違いがあるのもそのためだと言われます。

とともに、受け継いだものを十分に発揮できるかどうかで、その人間の価値が
きまり、喜びや生きがいが違ってくるのだと思います。


 お念仏の生活を始めてみると、その眠っていた力、実行力とか行動力、喜びの
感情、社会に貢献する力や、思いやりの心などが、少しずつ目覚め、開発されて
くるのだと言われます。


どうした時に、眠っている、そうした力が働き始めるかといえば、損得や利害を
忘れた無心の時だと、研究者はいいます。


というのは、我々はギブアンドテイクの生活をしています。自動販売機にコインを
入れれば、タバコや飲み物が出てくるように、何かすればそれに見合ったものが
返ってくるということが、基本になって生活しています。


努力すれば結果が必ず返ってくると思い、結果を求めて行動しています。

しかし、そうしたギブアンドテイクの発想から、親の愛のように、与えるだけの行動、
ギブアンドギブの行為をすると、予想もしない新たな力が加わるものだと言われます。


何かを求めてではなく、ただひたすらに与えることだけの行為をした時、
人間の力は人間の充足感は、強く大きく表れてくると言われます。


赤ちゃんを育てる親のように、夢中になって遊んでいる時のように、何かお返しを
期待せず、行動した時に、先輩から受け継いだ膨大な力の、眠っていた部分が
目覚めて働き始めるのだということです。


南無阿弥陀仏のお念仏、他力のお念仏、阿弥陀さまの働き、こうしたお話を
素直に聞いて、報恩の気持ちで、生きている人には、不可思議な力の働きが
訪れてくるのだと言われます。


阿弥陀さまがそうであるように、南無阿弥陀仏を口にして、生活してみると、
当たり前のものが当たり前ではなくなり、見過ごしていたことが、見えるようになり、
予想もしない新鮮な喜びが感じられるように成ってくるのです。


それが、お念仏の働きであり、私が受け継いでいたものを、十分に発揮出来る
力を目覚めさせ開発することになるのです。


お念仏の生活をして初めて味わえる喜びであり、無限の力だということです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、12月9日に新しい内容に変わります。



   

    (遺伝子学の第一人者 村上和男筑波大学名誉教授の
      お話を参考にしました。)