第659回 何がやりたいのか

  
平成17年 9月 8日〜

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夜中に、ふと目を覚まし、TVをつけてみると、母校の小学校へ
先輩が訪ねて授業をする番組が流れていました。


先輩が、子どもたちに、将来の夢をたずねると、お医者さんになりたい。
俳優になりたい。金持ちになりたい。などと、それぞれに夢を述べていました。


それに対して、先輩は、医者になって何がしたいのか。
と聞くと、生活が安定するからと答えます。

先輩は、医者になって何がやりたいのか、もう一度考えて見ましょうと、促します。

同じように、俳優になりたいという子供も、有名になりたいという夢を語ります。
有名になって何をしたいのかと、問われても、なかなか答えが出てきません。

子供たちが答えるのは、何になるか職業を言うことは出来ても、その仕事で、
何をやりたいのかと聞かれると、答えにつまってしまっていました。


授業は、二日間あり二日目には、医者になって、人びとの病気を治したい。
俳優になって、多くの人に感動を与えたいという結論に達しましたが、
現代の子供は、自分の立場しか考えつかないのが、普通のようです。


これを見ながら思いました。
これは、周りの大人たちが自分のことばかり考えているように見え、
自己中心であるように子供の目には、映っているのではないでしょうか。


子供たちは夢を聞かれて、将来は、大人と同じように、自分の利益のために
頑張ろうと思って答えていたのではないかと、感じました。



 おじいちゃんやお祖母ちゃんのお葬式の時、お別れの言葉で、
多くは天国で、天国でと行き先を述べるお孫さんが沢山います。


これは、自分の幸せのことだけを求める世界こそ、すばらしい世界であるとの、
思い込みがあるのではないかと感じます。


阿弥陀如来の世界、お浄土は自分のことよりも、苦しみ悩む多くの人のことを
思って活動する世界。


この世も、自分の幸せを願っての人生よりも、お浄土へ生まれることが出来る
阿弥陀様の仲間としての生き方こそが、実は、一番充実した人生ではないかと、
感じます。


それを、子供たちにどう伝えていくのか、その一つに、子供に将来の夢を
質問するときには、「何になりたいの」と聞くのではなく、「何がやりたいのか」と
聞いてやることが子供のためにもなるのではないかと、思いました。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、9月15日に新しい内容に変わります。