第663回 最上の理想の国

 
平成17年10月6日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

巡番報恩講でお説教を聞かせていただきながら、思いました。

何故、南无阿弥陀仏なのか。なぜ南無○○ではなく、
開けゴマではなく、南无阿弥陀仏なのか。


これは、分かる人には分かるものの。初めての人には、なかなか
説明出来ずにこまっています。


ところで、私たちが、日頃よくお勤めをする正信偈には、こんな所が
あります。


法蔵菩薩因位時 在世自在王仏所
覩見諸仏浄土因 国土人天之善悪
建立無上殊勝願  超発希有大弘誓

一人の国王が 世自在王仏のお説教を聞き、
自分も理想の国を建立したいと願い、法蔵と名乗る求道者になりました。

そして、あらゆる仏さまが建立された特徴的な国の、いわれや、
その仏国土に住む人達の善し悪しを、師仏の世自在王仏の力を
かりて観察しました。

その結果、観察したあらゆる国に超え勝れた仏国土を、自分で
建立したいと、世にも稀な大請願を建てましたと、あります。


 見せてもらった国は、どれだけか、実に二百一十億もの諸仏の国を
観察し、どの国も、苦心して建立された理想の国土ではあるものの、
厳しい修行が出来きる人でなければ救われない国であったり、
ある国は、男性でなければ救われない世界。

ある国は、健康で若い者でなければ、ある国は、成績が優秀で
なければ、またある国は、お金持ちでなければ・・・。と完全では
なかったのでしょう。


 そこで法蔵菩薩は それから五劫という永い間、考えに考え、
理想の国を建立することが出来る「行」を見つけだし、
その修行に永い永い間、励み、すべての人が救われる、最高、
最上の国、お浄土が完成しました。


しかも、南無阿弥陀仏という言葉で救われる世界。
これこそ どの国よりも完成度の高い理想の国が建立されたと、
大無量寿経に、お釈迦さまは説かれています。


 ところが現代でも、あちこちで、この完成されたお浄土以外にも
理想の国があるのでないかと、キョロキョロと、探し求めている人が
います。


しかし、法蔵菩薩が不完全であると覩見した諸仏の国、二百一十億の
国を、空しく探しているだけではないでしょうか。


 そしてまた、この世も、すべての人が救われることのない、
不完全な世界です。


それは、住む人びとが自己中心で、何かを求め、期待し、
待っているだけの世界だからです。


お浄土は、報恩の世界、それぞれが能力に見合って積極的に
活動する世界、ただじっと待っているのではなく、自ら実践する
世界であろうと、思えます。


この理想の国、「お浄土」へは、ただ南無阿弥陀仏を口にすることで、
仏さまの力、本願力で、生まれることが出来るのだよ、念仏の人は
もう仏さまの仲間だよとお釈迦さまも親鸞聖人も、先だった先輩たちも
皆そろって、勧めていただいています。


南无阿弥陀仏、一つで大丈夫だよと。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、10月13日に新しい内容に変わります。