第670回 決まりを守る

 
平成 17年 11月 24日 〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

苦労してやっと購入したマンションに、実は欠陥があり、
震度5の地震でも壊れるのではないかとニュースで大騒ぎしています。


建設費を安く上げようと、決められた数字を改ざんして建てられた、
違法な高層建築が、数多くあると問題になっています。


地震で壊れないように、最低必要とされる強さが決められているのに、
ごまかして材料を少なくし、施工日数を減し建てられてもののようです。


そうした不正が起こらないようにと、国や県が検査していましたが、
現在は民営化ということで、民間の専門機関が検査していたものの、
発見出来ずに建てられたものです。


 いつ地震が起きるかもしれない、いつ命が危ないかも知れない、
何とかして欲しいと、マンションの住民や近所に住む人びとは口々に
不安を訴えています。


こうした事実が判明するまでは、誰も不安を持たず、安いマンションが
手に入ったと喜んでいたのに、事実が分かった今、居ても立っても
居られぬ恐怖を持っておいでだろうと思います。


これを見ながら、他人事ではないと思えてきました。
私たちは毎日の生活で、みんながやっていることなので、このぐらいは
大丈夫だとたかをくくって、平気で決まりを守らず、自分自身をごまかし、
周りの人びとに迷惑をかけていることに気づいていません。


思いつくだけでも、夜間、自転車に電気をつけず、無灯火で平気で
走っている人がいます。自分は大丈夫、誰にも迷惑をかけていない
つもりですが、実は大きな危険をはらんでいます。

また、ちょっとだけだと路上に駐車する車、その横をすりぬける自転車や
バイクを見ていると、大変危険で、大きな事故を誘発しそうです。
横断歩道があるのに、そこまで行くのが大変だと、無謀にも
横断するお年寄り。


空き缶や火のついたたばこの投げ捨てなど、生命の危険をはらんでおり、
多くの人に迷惑なことに気づいていません。


約束、決まりということで言えば、地域の清掃やあつまり、選挙の投票、
犬の散歩、決まりがあるのに平気でルールを守らず、自分に言い訳して
生活していることが多いものです。 

お寺でいえば、ご門徒として総会や法座、勉強会の案内を受け取っても、
自分には関係ないとなしのつぶての人があります。


自分は大丈夫、関係ない心配ないと思ってのことでしょう。
しかし、よくよく考えてみると、先立たれた多くの先輩たちは、人間として
もっとも大事なこと、人間らしく生きることを、知らせるために、お寺を守り、
お念仏を伝えてこられたのだと思います。


限られた命を、精一杯生かしてほしい、喜び多い毎日を送らせたいと、
苦労してお寺を、お法を守ってこられたのがご先祖さまだと思います。


ご門徒としての最低の約束、法座や勉強会の案内があれば、
何をさておいても参加して、先輩たちが是非伝えたい、人間として
最も大事なことを、聞き、受け取ってほしいものだと思います。


身に迫る危険をしらず、ぼんやりと人生を送るのではもったいないこと
だと思います。


南无阿弥陀仏は、人間として最も大事なことを伝えようとする、
親の呼び声です。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、12月1日に新しい内容に変わります。