第674回 私に沿って
平成17年 12月22日 〜
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
こんな詩を、知りました。
川に沿って岸がある
私に沿って本願がある
いつまでも埒(らち)のあかない
私に沿って本願がある
東井義雄先生の味わい深い詩です。
(いのちとのふれあい・探求社刊)
偶然に教育テレビで、自然の豊かさを子供たちに知らせる番組を見ました。
四万十川の川岸からクイズを出題しながら、勉強をしていくものです。
現代は、水害を予防するためにしっかりと護岸工事をした川が多くなり、
魚や昆虫、さまざまな生き物たちが、生存出来ない環境になったといいます。
水の流れをよくするために、コンクリートで高い堤防を作り、澱みなくスムーズに
水を流すことだけに意識がいっているためです。
四万十川に自然が残っているのは、できるだけ自然の石を使い浅瀬を作ったり、
渦巻きながら逆流できるようにと人工的に、工夫をこらしたためだということです。
ところで、私たちの人生を、川の流れに例えることがあります。
ところが、現代の私たちの人生も、コンクリートの護岸工事と同じように、
出来るだけ効率的なことが良いと、急いで、無駄なく、最高の結果を得ようと、
大人も子供も生きているように思えます。
しかし、人生は希望どおり、理想どおりにはいかないものです。暑い日も寒い日も、
嵐も大雨もくるものです。
堤防が川を守るように、どんな時にもこの私を見つめ守り、間違いなく導いて
いただくのが、阿弥陀如来の本願であると。
この私のことを決して見捨てる事なく、上流でも下流でも、いつまでもどこまでも
守り続け、導いていただく、大雨で濁流となろうと、雪解けの冷たい水であっても、
必ず海へと導くように、この私をお浄土へと導いていただいているのだと、
味わいたいものです。
ただ効率的なこと、自分にとって得になること、嬉しいこと楽しいことばかりを
期待せずに、どんな辛いことがおころうと、苦しいことが起ころうと、決して
見捨てることなく守り導いていただく、ちょうど川岸の堤防のように、
阿弥陀如来は私のすぐそばに、絶えず寄り添っていてくださるのだと、
味わいたいものです。
南无阿弥陀仏を口にし、耳に聞くとき、そう、ここに阿弥陀様がこの私のために
働いていてくださると、味わわさせていただき、急がず例え渦巻きに巻き込まれても、
慌てずあせらず豊かに人生を味わいながら、お浄土への毎日を生かさせて
いただきたいものです。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、12月29日に新しい内容に変わります。