第690回 今 ここに 寄り添って

  平成18年 4月 13日〜

 妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
4月8日は お釈迦さまの誕生日 、4月7日は 法然上人の誕生日
そして 4月1日は 親鸞聖人の誕生日、本願寺派では 新暦にして
5月 21日に お祝いいたしますが、4月は すばらしい季節です。

お釈迦さまは インドの北インド、ヒマラヤ山脈を望む 釈迦族の
皇太子だったといわれます。
国民や父王 浄飯王の期待を一身に集めていましたが 道を求めようと
王子の地位も家族への愛着も振り切って、修行の道へ入られました。

お釈迦さまが説いていただいた如来さま  阿弥陀さまも 一人の国王でした。
何不自由のない 生活を捨てて 世自在王仏の元で 法蔵と名乗る修行者と
なれたと いいます。
地位と権力と財産があるのですから、国民を幸せにしたいのなら、
豊かな国を作ればいいものと思いますが そうではなく
五劫が間 思惟し 永劫の間修行して 210億の諸佛の国を覩見して
48願をたて 阿弥陀如来となって すべての人を救う働をして
頂いているのだと お釈迦さまは 説いていただきました。

私達の関心ごとは 景気の回復であったり 年金や 税金や健康や
入学や就職、親子や男女、夫婦の愛情など 生活のため 生きるために
これこそが 最も大事なものだと 思い込んでいます。

ですから 国の責任者であったなら 国民のために 豊かな生活が
成り立つように 努力することこそ重要である。
最高権力者の国王の生活には 及ばないとしても、それに一歩でも
近づけようと勤めることが 正しく立派なことだと 感じてしまいます。

それなのに 無責任に家族や国民を投げ捨てて 多くの人々を救うことを
願うということは なかなか理解が出来ないものです。
しかし 自分の国の国民だけではなく、すべての人が 人間だけではなく
すべての生き物が 今 生きている人だけではなく これから生まれてくる
人をはじめ あらゆる人々のために 法蔵菩薩は 御苦労いただいたのだと 
説かれています。

そして 親鸞聖人をはじめ 私達の先輩たちは その阿弥陀如来の
前で 手を合わせ 南無阿弥陀仏と お念仏をし、その御苦労と
その働を 讃嘆し、喜んでこられたのです。

娑婆世界では 力あるものが ここまでおいで 自分に近づけと
高みから 救い上げる感じがしますが、溺れている人を 船の上から
引き上げるのではなく 冷たい水の中に飛び込んで 抱き上げて
救い上げて頂いているように 感じます。

ここまで おいでではなく いまこの私の所に来て 寄り添って
この私とともに理想の世界へと 導いていただいているのです。
南無阿弥陀仏のお念仏の声は 遠くではなく ここに聞こえます。

お釈迦さまや法蔵菩薩が 投げ捨てられた 地位や名誉や財産や
自己中心的な喜びを 必死になって追い求めるのではなく もっと 
大切な 大事なものがあることを 味あわせていただきたいものです。
私達に与えていただいた 南無阿弥陀仏のお念仏を口にしながら。

妙念寺電話サービス お電話ありがとう ございました。
次回は 4月 19日に 新しい内容に変わります。