第694回 降誕会によせて 

  平成18年 5月 11日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

久しぶりに佐賀の教務所に行き、こんな本に出会いました。
[よりそう  大悲、子どもたちへ] という浄土真宗本願寺派の保育連盟、
九州ブロックで編集された、本です。


こどもたちに何をどう伝えたらいいかを、多くの方々が執筆されたものです。
その中に、『降誕会によせて』という佐賀の平安保育園の先生方の文章が
ありました。



かよちゃんのお家は、お母さんも昼間はお仕事に行ってお家にはいません。
でも学校から帰ってきても、かよちゃんは寂しい思いをしなくてすみます。
それは優しいおばあちゃんが、いつもお家で待っているからです。


 ある日、かよちゃんが「ただいまー」と玄関を開けると、おばあちゃんの
「おかえりー」と言う声が聞こえてきました。おばあちゃんは、ちょうどいっぱいの
洗濯物を、お部屋の中に取り入れるところでした。かよちゃんも手を洗い、
その洗濯物を顔にあてて「あったかくて、とてもいいにおいがするね」と言いました。

おばあちゃんは「そうねーいつも、お洗濯物を気持ち良くかわかしてくれる
お日さまに、ありがとうって言わないとね」と、にっこりほほえんで言いました。
かよちゃんは「お日さま、ありがとう」と小さな声で言いました。


 雨の日、かよちゃんは「あーあ、今日はお外で遊べない。つまらないなー」と、
外を眺めながら言いました。
すると、おばあちゃんは「雨が降ると、畑の大根も、人参も、とっても喜んで、
どんどん大きくなるんだよ」と優しく答えてくれました。

お外で遊べなくなる雨も、降らないと何でも枯れてしまうから、とっても大事な
ものなんだと、思いながら「雨さん、ごめんなさい」と小さな声で謝りました。


 5月のある晴れた日、かよちゃんはおばあちゃんと一緒にお寺に行きました。
ちょうどその日は、親鸞さまのお誕生日の日でした。
親鸞さまは、夏の暑い日も冬の寒い日も、みんなに阿弥陀さまのお話しをするために、
村から村へ、町から町へ回られたそうです。


「親鸞さまって、えらいなあ」と思いました。
かよちゃんは、地球上の、いや宇宙中のみんなの力で生きていることを知りました。
毎日元気に学校に通う かよちゃん、雨の日も暑い日もへっちゃらです


という文章です。
多くの力に支えられ、育てられていることを、次の世代に伝えていくことこそ、
最も大きな贈り物だと思います。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、5月18日に新しい内容に変わります。


             本願寺出版 よりそう 大悲 こどもたちへ
                      保育連盟九州ブロック会編
                 佐賀教区 平安保育園 山中逸子・小杉照代著