第699回 痛みは呼び声

 平成18年 6月 15日 〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

お参りをしていますと、膝が痛い方が殆どです。本堂での法座も今では、
全員椅子に座ってお話を聞くようになりました。


正座することが出来ないばかりか、歩くことも難しいとおっしゃる方が
多くなってきました。

お医者さんに、注射をしてもらったり薬をもらって飲んだりしてもなかなか
回復せずに、ますます悪くなるばかり、もう高齢ですからとあきらめている人が
多いようです。


ところが、先日、TVで膝痛を治すことが出来る体操があると放送していました。
「試してガッテン」というNHKの番組です。


これまでの常識では、安静にしておくことを勧められていました。
しかし、実験の結果、痛いところは無理に動かさず、でもその近くは運動することが
重要だということがわかったということです。


膝の関節が痛むのは、骨と骨との間にある軟骨が壊れて、骨と骨との間が狭くなり、
動きにくくなるケースが多いものですが。


どうして軟骨が無くなるかというと、血液の循環が悪くなり、軟骨に酸素が届かなくなって、
徐々に消滅しているということです。


痛みを感じるのは、骨や軟骨ではなく、壊れた軟骨が骨を包み込んでいる部分を
刺激して痛みを生じていることが分かりました。


普通私たちは、長年にわたって使い続けたために軟骨が少なくなったと考えがちですが、
そうではなく、よく運動している人は、若者と同じように軟骨は平常であることも
分かりました。


問題は、軟骨に血液が届きにくく、血液の中に含まれている酸素が欠乏するために
軟骨が壊れているのであり、酸素が充分に届きはじめると、軟骨は再生されていく
もののようです。


解決法は、仰向けに寝て、痛い膝を曲げないようにし、膝全体を、床から10センチほど
持ち上げ、5秒後に元に戻し、また10センチ持ち上げるという、単純な膝上げ運動を
続けることで、血液がよく流れ、酸素が供給されるようになり、回復してくるのだという
ことです。


あまりにも痛いために、動ごかさず、注射や薬に頼って、本来人間が持っている自分で
治していく力を発揮することを忘れているようです。


その膝上げ運動の時に、南无阿弥陀仏、南无阿弥陀仏とお念仏をすると、救わねば
おかぬと働いていただいている如来様の力を味わうことができるようです。


この私を助ける、救うという仏さまの働き、痛みはそのことを忘れている私に、
気づかせていただく計らいなのかもしれません。


医学や科学だけに頼らず、素直に自分自身が出来ることに取り組むとき、この私は
生かされていることを有り難く感じることと思います。
南无阿弥陀仏は、必ず救うぞの親の呼び声だと味わえます。
南无阿弥陀仏は、この私の痛みをとるために働いていただいている、
如来さまを感じさせてくれる言葉です。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、6月22日に新しい内容に変わります。