第702回 気づいてみれば

平成18年 7月6日 〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

梅雨に入り、南九州は連日の大雨のようでしたが、北部の方は、例年になく
穏やかでした。
しかし、やはり梅雨、雷とともに大粒の雨が、バケツの水を撒き散らすように
降っています。

車の乗り降りも大変ですが、お参り先で玄関前まで迎えに出ていただく
お婆ちゃんがいたり、人の温もりも感じさせていただいています。


帰り道、車の中から道行く人を見ていると、ズボンの裾をびしょ濡れにして
歩いているおじいちゃん、ビニールのズボンで完全装備した自転車の主婦、
濡れながらトラックの荷台から砂を繰り返し降ろす左官さん、雨の中で苦労される
様子を見ながら帰ってきました。


ふと思い出すと、私も高校生時代、長靴の上にビニールのズボンをはいて、
傘をさし自転車で通っていたことを思い出します。


坂道でしたので、行きは超スピードで、20分ぐらいで学校に到着しましたが、
帰りは上り坂、一時間以上かかりました。


特に、雨の日は片手で傘をさして登り坂を帰るのは大変だった記憶が蘇ります。
坂道を下る自転車、何の苦労もなく、私が努力しなくても自然に走っていきます。
これが他力的な有り難さではないか。


坂道を自転車でこぎながらの苦しむようなことが、自力の計らいではないかと、
味わっています。


濡れることもなく、スイスイ走る車の中から雨で苦労している人を見ますと、
工事現場の交通整理のガードマンの方、電気工事でしょうか、電柱に登っている人、
荷物を配達している人。ゴミの収集をしてくれている人。


気づかずにいるだけで、私の周りには多くの人がそれぞれの場所で、ご苦労をして
おられます。
そうした多くの人びとのお陰で、冷房の効いた部屋で穏やかに生活させていただいて
いる。そのこと一つを気づくか、気づかないかで私の人生は大きく違います。


多くの力、多くの働きによって生かされていることを、感じさせていただくと、何とも
言えぬ、うれしく喜びが沸いてきます。


南无阿弥陀仏を聞くとき、私が気づいている何十倍も何百倍も何千倍ものお陰で、
生かされている、南无阿弥陀仏の仏さまは、この私のために、休まずご努力して
いただいている、ご苦労いただいている。そう味わえる雨の一日です。


報恩感謝の南无阿弥陀仏を口に、私が今やれることはないかと味わっています。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、7月13日に新しい内容に変わります。