第706回 二つの言葉

 
平成18年 8月3日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

ご本山から発行されている 「本願寺新報」に 「みんなの法話」というコーナーがあります。

ずっと前に 掲載されたものに こんな文章がありました。

私たちが歩む道 という文章です。

人生は旅ともいわれています。
旅は、どこからどこへ、何のために、が明らかでないと、その旅はむなしい、はかないものになります。
どこへ行くにしても、そこには道があります。どの道を歩めばいいのでしょうか。


去る昭和四十八年(一九七三)、親鸞聖人御誕生八百年・立教開宗七百五十年慶讃法要御満座の
ご消息に、前門さま(当時ご門主)は 

「このような時代に生きる現代人の不安と混迷は、聖人のお勧めくださった念仏の道によって、
 はじめて乗り越えることができるものと信じます。念仏の道は『おかげさま』と生かされる道であり、
 『ありがとう』と生きぬく道であります」とお示しになりました。


そうです。私たちが歩む道は 「お念仏の道」です。
その道はどこへ(方向)向かっているのかというと、お浄土(彼岸)です。お浄土に生まれて、
仏さまになる(成仏)こそが、人間に生まれた大きな目的ではないでしょうか。多くの道の中から、
私にもっともふさわしいお念仏の道を歩みなさいと、親鸞さま、蓮如さま、前門さまが仰せになっています。
その道を、親も、先祖も歩んできたのでした。


お念仏の道は、おかげさまと生かされる道です。
おかげさまで−とあいさつすることがよくあります。
小さなこの私のいのちを、ここまで生かし、育てていただきました。
しかもお念仏を心の依りどころとするのですよ、と仏さまのお慈悲のぬくもりを感じます。

そして、ありがとうと生きぬく道です。
ありがとうと、一日に何回も口にします。
また他人からありがとうと言われることもよくあります。

日本語の中でも、ありがとうほど言う方も、言われる方も気持ちのよい言葉はありません。
私たちは何気なく口にしますが、ありがとうの一言を言ってもらうことは、容易ではありません。

努力して苦労したり、親切にお世話したときに、言ってもらえます。
反対にこの私のために努力してもらったり、お世話になったときに、ありがとうとお礼を言います。
ありがとうは、幸せのあいさつです。

一回でも多くのありがとうを口にし、一回でも多くありがとうと言われる人は、きっと幸せではないでしょうか。



という文章です。
全文は 紹介できませんので 一部分だけを 抜き出していますが、
どこへ 向かって歩むのかで 人生は 大きく変わってくることでしょう。

同じ 人生なら 喜び多い 豊かな人生で ありたいものです、


それは 地位や名誉や 財産などの物質ではなく おかげさまでと ありがとうが
口に出来る人生こそ 最高のものではないかと 思います。

妙念寺電話サービス お電話ありがとう ございました。

次回は 8月10日に新しい内容に変わります。

みんなの法話 「お彼岸をご縁に」  藤実 無極(ふじみ むごく)名古屋別院輪番(当時)

2001(平成13)910日号掲 より 一部抜粋