第708回 伝えたい

 平成18年 8月 17日 〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

歓喜会のお参りの途中、いろいろのことに出会いました。
お仏壇の前に、色とりどりの子ども用のお菓子が、籠に入れて置いてあります。

「今はやりの珍しいお菓子が沢山お供えしてありますね。」と言うと。
「亡くなったお祖母ちゃんが、いつもこうしていたんですよ。孫たちが訪ねて来ると、
仏様から一ずつお菓子を貰ってらっしゃいと、お仏壇へお参りさせていたので、
それを受け継いでいるんです。孫たちは、楽しみにお仏壇へお参りしています。」
という家や。


「仏教というのは、祖母や祖父たちが、次の時代へ伝えたい大事なことを、
盛り込んで法事などの時に、伝承していたんでしょうね。」という方や、

「自分は父の日に、息子や娘婿に、プレゼントと共に手紙を書いている」と
言う方などです。


「どんな内容の手紙ですかと聞く」と、「子どもたちにとって、父親というのは、
反面教師である。どうか、子どもたちの〇〇に、気を配ってほしい。
という内容だ」というのです。


後で、〇〇のところは、何が当てはまるのか考えて、成長ですか。
教育ですか。人生ですかと、いろいろの言葉が返って来たというのです。


また、娘や息子たちのお嫁さんには、その誕生日にお金を送って、どうぞ
自由に使ってほしいと手紙を書き、娘に対しては主人のお母さんに、
お嫁さんには里のお母さんのために使ってくれれば嬉しいと、
手紙を出したというのです。

そうすると里の両親を食事に誘ったとか、プレゼントをして感謝の気持ちを表したとか、
返事が来たと笑いながら、語っておられました。


こうして、子どもたちに親の願いを伝えることの出来る人は、なかなか少ないのでは
ないかと思います。


自分の思いを素直に表し、手紙に書ける人が、うらやましくも思いました。
しかし、多くの父親は なかなかそうはいきません


そこで、自分が亡くなった後の、七日七日の法要や、年回法要の時などに、
仏様のお話として、人間として最も大事なことは何なのかとか、伝えておかねば
ならないと思いつつ、うまく伝えることの出来なかった、親の願いを伝えてほしいと
思うのが、普通の親ではないでしょうか。


可愛い子どもや孫たちに対して、人間にとって最も大事なことを、生きがい多い、
喜び多い人生を歩んでほしいとの願いを、仏教にたくして伝えて
貰おうとしたのではないかと思います。


お念仏は、そうした親たちの願いを込めた、有り難い言葉だと思います。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、8月24日に新しい内容に変わります。