第711回 卒業記念の団体参拝

 
平成18年 9月7日〜

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子どもの頃から、お寺に親しんでおけば、大人になって自然にお参り出来る
のではないかと、日曜学校や子供会、ラジオ体操などいろいろと工夫して
おられるお寺がありますが、小学校卒業の春休み、中学校に入学前にご本山へ
揃ってお参りすることを、もう30年以上も続けている地域があると知りました。


佐賀県の伊万里市などを中心にした、25ケ寺で構成する松浦組です。
今年も、3月27日から31日までの4泊5日の日程で、貸し切りバス二台を使い、
途中、フェリーを利用しての往復、59人が参加して行われました。



 研修のスケジュールは、教室での講義や野外研修、テストまであるなかなか
忙しい日程ですが、京都でのスタッフには、宗門校の竜谷大学の伝道部の
学生さんに協力していただいているとのことです。


 講義では、お釈迦さまや親鸞聖人のご生涯を学び、野外研修では、比叡山の
横川から根本中堂まで、実際に歩いて親鸞聖人の足跡を訪ね。


またバスで日野誕生院・角ノ坊別院を周り、ご誕生から御往生までを実際に
たどりながら、親鸞聖人のご苦労を肌で感じてもらうということです。



 子どもたちにとって大変なのが、仏前での作法や三つの約束・食前食後の
言葉などを暗記することです。


覚えようとしている子どもの表情は真剣そのもの、それというのも一人ずつ
実技テストが行われるためです。


 子どもたちにとっての楽しみは、本山での研修ではなく、甲子園球場での
選抜高校野球観戦やユニバーサルスタジオジャパンのアトラクションで
遊ぶことです。


  初日に班分けを行い、自分たちで班長や副班長を決め、子どもたちで
自主的に団体行動が出来るようにしているとのことです。


 普通、小学生の高学年を中心に団体参拝を募集するものですが、小学6年を
卒業した人だけというのが特徴だろうと思います。

中学生になる前に、ご本山へ揃っていく、一生に一度、今年だけがチャンスと
いうことの意味は大きいのだと思います。



 この研修旅行がスタートした時期は、親たちの多くがまだ京都へ行ったことの
ない時代でしたが、今では、父親も参加し、その子ども二代目が参加するケースも
多くなっているとのことです。


しかし、最盛期には、200人の参加者があったものの少子化のためか、だんだんと
数は少なくなっているようですが、一番感受性の強い時期にご本山へお参りしたことは、
自分の所属するお寺だけではなく、京都のご本山を意識出来ることのメリットは、
将来にわたり大変に大きいと思います。


また南无阿弥陀仏を素直に口にすることが出来るようになることも有り難いことです。


次回は、9月14日に新しい内容に変わります。

    伝道66、千葉考史著(佐賀教区松浦組)
        小学六年生本願寺研修旅行について から 一部紹介しました。