第737回 犬に噛みつく

 
平成19年 3月8日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

 何がニュースになって、何がニュースにならないか
ということの例えとして、犬が人間を噛むのは当たり前で、
人間が犬に噛みつくのが珍しいのでニュースになると、昔は
言われていました。
ですから、ニュースになることはめったにない特別のことなのです。


それが、テレビのワイドショーが盛んになって、犬が人間を噛んでも、
大事件として放送されるようになりました。


 お参りしていると、近ごろの世の中はどうなったのでしょうか。
子供が親を殺し、親が子供を殺し、いじめや自殺、放火に交通事故、
贈収賄と、毎日毎日つらい、どうしようもない世の中ですと、
嘆かれる方があります。


確かに、仏教で言う十悪五悪といわれることが各地で毎日起こって
いることには、間違いありません。


 しかし、心優しい人びとや、真面目に一生懸命に働いている人が、
大多数であることも事実です。


ただ、そうした当たり前のことは、ニュースには一切ならず、
善意よりも悪意が取り上げられ、他人を批判することが多いこの頃です。


勉強会の準備で、阿弥陀経の現代語訳を読み返していましたら、

阿弥陀仏の国には、びゃくこう、クジャク、おうむ、など、
沢山の鳥がいて、優雅な声で昼夜六時それぞれに優雅に鳴き、
尊い教えを説き述べていると説かれた後。


「舎利弗よ。そなたはこれらの鳥が罪の報いとして鳥に生まれたのだと
思ってはならない。
なぜなら阿弥陀仏の国には地獄や餓鬼や畜生のものがいないからである。


舎利弗よ、その国には地獄や餓鬼や畜生の名さえもないのだから、
ましてそのようなものがいるはずがない。
このさまざまな鳥はみな、阿弥陀仏が法を説きひろめるために、
いろいろと形を変えて現されたものに、ほかならないのである。・・・」


とあります。      

 ニュースに出る、ごく一部の人を知って、それが世の中のすべてと思い、
私の周りにいる人びとの、素晴らしい姿や、働きをちゃんと見る努力もせず、
まして自分の行いを見つめることを忘れているのではないかと思えてきます。


どんな鳥も、動物も、人間も、阿弥陀仏がこの私に法を説きひらくために、
いろいろの形で、この世に来ていただいていると味わうと、私の人生は
大きく変わってくることでしょう。


新聞や雑誌が集めた、醜い辛い話題も、テレビやラジオから流れてくる
様々な事件も、この私に法を説きひらくためだと思えれば、誠に有り難く
もったいないことです。


南无阿弥陀仏のお名号は、阿弥陀如来の願いと比べて、この私の身勝手な
行いを、しっかりと見つめ直させる働きがあるようです。


南无阿弥陀仏を口にして、素晴らしいもの、すてきなものを、
私の周りで発見出来るように心掛け、感動と喜びを味わえる毎日を
送りたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、3月14日に新しい内容に変わります。


         


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