第762回 深く生きるためには

  平成19年 8月30日〜

 新しい動画の検索が出来たとの紹介で 「本願寺」で検索してみました。

いろいろな 動画の中に、ご門主の法話(ご親教)が手話つきで 出てきました。
今年のご正忌の御法話でとてもわかりやすいお話でした。

御本山のホームページで その内容を確認し その一部を ご紹介します。


釈尊以来、仏教の主流は、戒をたもち、出家、修行することでした。
それは、この世の束縛である社会的なつながり、そして自分の中の束縛である欲望、
煩悩を離れて自由な生き方をすることでもあります。


 このような出家の道を求める心は、一時的には起こることがあるかもしれませんが、
長続きする人は多くないと思います。それは、私たちが平生(へいぜい)に期待する
「健康で長生き」「家族仲良く」「豊かな暮らし」などとは大きな隔たりがあるからです。


 親鸞聖人が教えて下さったのは、悩みや苦しみを抱えた私が、阿弥陀如来の智慧と
慈悲のはたらきに照らされ、包まれ、導かれて生きることです。往生浄土の道とは、
欲望を捨てるのでもなく、無制限に満たそうとするのでもなく、限りある命を受け容れて、
精いっぱい生きることです。

その根本は、他力の信心です。この信心は、阿弥陀如来からたまわるという意味で、
他力の信心と申します。


阿弥陀如来の真実のおこころが私に届くこととも言えましょう。

 平易な譬(たと)えを借りますと、親の思いが子に通じた時、闇に迷っていた子の人生が
変わります。
「通じる」とは心が正しく受け止められたことです。


 南無阿弥陀仏というお名前のはたらきによって、私に阿弥陀如来のおこころが伝わります。
そして、お念仏申す身となるのです。そこには、さまざまな利益(りやく)があり、
喜びがあります。普通にいう現世利益ではない利益です。


 親鸞聖人はご和讚に、「五濁(ごじょく)悪世の有情(うじょう)の 選択(せんじゃく)
本願信ずれば 不可称(ふかしょう)不可説不可思議の 功徳(くどく)は行者の身にみてり」
(註釈版聖典605ページ)とうたわれました。


 ご本願を信じる身になると往生浄土が決まることは申すまでもありませんが、さらにこの世で
限りない功徳、利益が得られるのです。


 例えば、うれしいことがあった時、阿弥陀如来に照らされて、さまざまなご縁を感謝する
広い心が育ちます。大事な人を亡くした時には、人間の持つ限界を知らされるとともに、
だからこそ、喚(よ)びかけていてくださるお慈悲が味わわれます。

お慈悲は、病気を治す薬ではありませんが、病気と共に生きる力を得て、当人はもちろん、
周囲にも温かい気持ちが伝わります。


 国の内外に争いの多い今日、「世のなか安穏(あんのん)なれ、仏法ひろまれ」(同784ページ)
という宗祖の願いは、悪者を捜し出して攻撃するのではなくて、共に凡夫であるというお念仏のこころが
大きな意味を持つことでしょう。


 ある小学校で、先生が宿題に「自分の長所、良いところ」を書かせようとしたところ、
子どもたち自身でもなかなか思いつかないし、親に聞いても「良いところは一つもない」と
言われてしまった、ということを聞いたことがあります。

これでは、自信を持って人生を歩むことができません。
子どもを取り巻く大人が、心にゆとりを持っていないから、ありのままの子どもを受け容れることが
できないのではないでしょうか。


 「他力の信心うるひとを うやまひおほきによろこべば すなはちわが親友(しんぬ)ぞと 
教主(きょうしゅ)世尊はほめたまふ」(同610ページ)


 お釈迦さまが私の親友(しんゆう)である、友達であると褒(ほ)めて下さるというご和讃であります。

 日々さまよい続ける私を、お釈迦さまが親友と褒めて下さる時、今度は、自分の思うようにならない人々を
受け容れるという広い心が育ちます。


 人間関係の悩みや事件が続く今日、阿弥陀如来に受け容れられた我が身を思い、今度は周りの人々に
向かって私の心を開いていきたいものです。


 本山本願寺におきます七百五十回大遠忌法要まで、あと四年と少しになりました。
法要を中心とする本山での行事や計画は、皆さまのご協賛、ご協力で心配なく進むと思っていますが、
各寺院や門信徒のご家庭でどのような未来図があるのか、少し気にかかるところです。


 親鸞聖人のおこころと教えが、現代人が生きる本当の支え、依りどころとなるよう、
身近なところで試みていただきたいと思っております。


ご門主の 御法話 全体は 本願寺のホームページで お味わいください。

     2007(平成19)年 御正忌報恩講 ご門主法話(ご親教)

     妙念寺 電話サービス お電話ありがとうございました。
      次回は、9月6日に 新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)