第763回 子供が思う以上に

 平成19年 9月6日 〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

ここ数日 インターネットを御縁に お寺を訪ねてこられたり、
お電話をいただくことが続きました。

気づくと ホームページには お寺の電話番号が どこにも 書いていないのに 
よく調べて お訪ねくださるものだと ありがたく思います。

もともと佐賀にお住まいの方ではなく たまたま佐賀に引っ越してきて
母親を引き取り 先だったお父さんのお骨を どうしようかという方や、
次男三男の方で 本家は遠く できれば 近くのお寺にご縁をという方が
多いようです。


ただ その多くは ご遺骨を預ける所はないかという 悩みのようにも感じ、
お寺は 教えを聞いていただくところという お寺の感覚とは 少々距離が
あるようです。



私ごとですが、この春から 100歳になる 実の母を 迎え住んでいます。
ほぼ50年振りに 一緒に生活してみると 若い日の元気な姿は 消えて
背中は曲がり 杖をついてとぼとぼ歩く 一人のお年寄りでしかありませんし、
耳が遠く意志の疎通が難しく 子供とすれば 何かと心配をすることばかりです。
しかし、私が 出かける時には 「車に気をつけなさいよ」と 昔ながらに
親として心配し 言葉をかけてくれます。

子供のこっちが 心配している以上に 親の方が 子供のことを 心配していることが
よくわかります。

今回 インターネットがご縁で お父様のお葬式をさせていただきましたが
男のお子さんがなく お嬢さんばかりで しかも結婚して家を出られており、
後をどうするかで 悩まれていたようです。


いっそなら、残されたお母さんの所から近いお寺が良いだろうと 新しい
ご縁ができました。

お通夜やお葬式の後に、お嬢様や お孫さんに お話しましたのは 
先だたれた親のことを心配する以上に 親の方が 子供のことを心配しているもの
その親が一番喜ぶことは 親である自分のことを気にかけてくれることも
ありがたいものの、そのことよりも 自分の子供が、それぞれの場所で
周りのみんなに信頼され 支えられ 生きがいをもって 生活してくれることが
最も嬉しいことだろうと 思います。

子供が思う以上に親は 子供のことを 考えているもの その親が一番
喜ぶことは どんなことか、 何をすればいいのかを発見することができるのが 
お念仏の教えであり、仏教だろうと思います。
どうか 悲しいご縁でしたが 親の願いを聞くことが 出来る人生を
生きがいを持って歩んでいける人生を 親が一番喜ぶ生活とは何かを、
お聴聞を通して 確かめていただきたいとお話しています。

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、9月13日に新しい内容に変わります。


         


           私も一言(伝言板)