第786回 ふかくたのみまいらせて 

 平成20年 2月14日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。

どうも世の中 真面目に生活している人の方が 悲しみや苦しみに
多く 出会ってしまうような気がしてなりません。

禅宗の家に生まれられたものの お若いころから お念仏の教えを
お聴聞してこられた方の お子さんが 60歳を前にして亡くなられました。

巡番報恩講といえば どのお寺にもお参りして 一番前の席に座って
熱心にお聴聞される方で、私どものお寺にも 日頃の法座にお参りいただくだけ
ではなくて、法供養をしたいと ご講師をお招きして 法座を開いて
いただき、稲城選恵先生や 深川倫雄先生をお呼びいただいた方でした。

こうした法座の時には そのお子さんも、他の兄弟たちとともに 受け付けや 
御接待のお世話をしておられました。

 数年前まで ご家庭で子供さんやお孫さんたちを集めて 毎月一回、夜
お勤めをして おられましたので 私もお参りしてお話をもし、ご一緒におときを
ともにいただいていました。

亡くなられたそのお子さんは 若いころから芸術的で 海外でデザインの勉強をされた後、
古美術の勉強をされ、すばらしい美術品に出会ったことが きっかけで
近頃は 焼き物を自分で焼き始め 伝統的な茶器の復元を始めておられました。

 しかし、癌が転移して 治療の甲斐なく ついに お亡くなりになりました。

この悲しいご縁にあって、 つくづく 白骨のご文章を味わせていただきました。

このご文章は 蓮如上人のお子様が亡くなられた時に 書かれたという説や、
山科御坊の土地を寄進した海老名五郎左衛門が まだ17歳の娘を亡くした時に 
与えられた 御文とも言われますが、

「阿弥陀仏をふかくたのみまいらせて念仏もうすべきなり」という

後に残った者が 念仏申す身にさせていただくことこそ、はじめてあなたの死を
無駄にはしませんという道が開かれてくるのであろうと思います。

そこに先立たれたかたが 唯一生かされる道が開かれてくるのだろうと、
深く味わわせていただきました。

親の世代が長生きをするようになると 最も悲しい自分の子供を送らねばならない
ことが多くなってくるのだろうと 気丈に振舞っておいでのお父様のお姿を拝見しなたら、
胸が痛む思いです。

現代語訳は 私どものホームページにあります。どうぞお味わいください。

http://www2.saganet.ne.jp/namo/sub12.htm#hakkotusyou

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。

次回は 2月21日に新しい内容に変わります。

         


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