第797回   迷いの世に還って

 平成20年 5月1日〜

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新しく「私の歩む道」との 副題がついた 浄土真宗の教章が この4
制定されたと 前回 申しましたが
その 教章の 教 義 のところには

  阿弥陀如来の本願力によって信心をめぐまれ、念仏を申す人生を歩み、
   この世の縁が尽きるとき浄土に生まれて仏となり、迷いの世に還って
   人々を教化する。

と 親鸞聖人が 教行信証の教文類の最初に まとめていただいた文章が 
 要約して表わされています。


教文類の現代語訳には こうあります。

   つつしんで、浄土真宗すなわち 浄土真実の法をうかがうに、如来より二種の相が
   回向されるのである。
   一つには、わたしたちが浄土に往生し成仏するという往相が回向されるのであり、
   二つには、さらに迷いの世界に還って衆生を救うという還相が回向されるのである。
   往相の回向の中に、真実の教と行と信と証とがある。・・・・・


ここのところを 教章では

     阿弥陀如来の本願力によって信心をめぐまれ、念仏を申す人生を歩み、
     この世の縁が尽きるとき浄土に生まれて仏となり、迷いの世に還って
     人々を教化する。

と 簡潔に表していただいています。


  ところで 救われる 私が救われる 私が お浄土に生まれ 私が仏になる そして
迷いの世に還ってと 私が私がと 私中心に 考えていましたが よく考えると
私がお浄土に生まれる前に 数多くの先輩たちが すでにお浄土に生まれ 仏となって
おられるのです。

そしてその方々は この迷いの世界へ 還って 教化し続けておられることが
時間的には 早いのだということを まったく気づいていないことに 思いあたりました。

私が 救われる前に 数多くの 先輩が 還相回向として私を 教化して
いただいていることを、私中心の私は 気づいていませんでした。・・・・・




 お参りの先で よく吠える犬に 出あいます。
駐車場に車を停めた時から帰るまで吠え続けている犬もあれば
玄関を開けたとたんに吠え始め お勤めを始めるとピッタリと泣きやみ
お勤めが終わると同時に また吠えはじめる犬もいます。

 わんわんと わんわんと 
よくも真面目に吠え続けるものですねと、ご家族の方と話していましたが。

これを ワンワン ワンワン ではなく
ナンマンダブ ナマンダブと 早口にお念仏していただいていると受け取るか、
ただ犬が吠えていると受け取るのかで違ってきます。

還相の方々は いろいろの姿で この私に はたらきかけ、
お念仏を勧めていただいているのだと 味わいたいものです。


         


           私も一言(伝言板)