第809回 自然のはからい

 
平成20年 7月24日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。

年に一度 祥月命日に お参りするお宅で 勤続30年の表彰状が 床の間に
飾ってあるのを 拝見しました。

農業技官と 書かれており 「どういうお仕事ですか」と 聞くと
「米の作況指数などを出す仕事です」とのことでした。


「坪刈りなどして 出来ぐわいを調べるんですか。今年は どうなんでしょうね」
と 聞きますと 
「平年を100として 90台後半でしょう」との
 お答えでした。

「暑さが問題なんですか、壮年会の人に聞くと 1週間から10日 田植えを
 遅くしたと聞きましたが」、というと。

「もう九州では コメはダメです。今までの品種だと 豊作ということは ありえません。
 いま、北海道がコメ作には 一番適したところになっています。」


「品種改良をしなければならないのですが 追いつかない 温暖化の影響です」との 
答えでした。


「暑い方がよさそうですが どうして いけないのですか。」
「簡単にいうと 秋口に 籾に栄養を蓄える時期に 昼も夜も 暑いと 
エネルギーを 暑さ対策で使い果たし 実に蓄えられなくなってしまう」とのことでした。
自分自身で使い果たし 実に蓄えることが出来ない 実が入らないとのことでした。


挨拶では 年年 暑くなってくるようですねと 言うものの。
植物は もっとはっきりと そのことを感じているようです。
昼間は 暑くても 夜ぐっと冷え込めば 気温の差があれば 豊作になる。

このことを 聞きながら 変化があることが 大事であり、いつも
暖かいだけでは うまくいかないもの 人間も 暑さ寒さの適度な変化が
大事なのだろうと 車の中も 家の中も 一日中クーラーの中での生活は 
あまり 好ましいことではないのだろうと 味わっています。

また 楽しいことばかり 愉快なことばかり 思い通りになることばかり
では どうも ダメのようで 苦しいことも辛いことも 思い通りに
ならない悔しいことも この私にとっては 大事なことだろうと思いました。

8月 夏のお勤め 家庭訪問が始まりますが 今 クーラーがほとんどの家に
設置される時代になりました。ひと昔までは おばあちゃんたちが うちわで

扇いでくれたことが 懐かしく感じられます。

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏と 手を動かしながら 口にされていた時代
いまは 機械がひとりでに働いてくれて 南無阿弥陀仏が
 遠くへいって
しまったようにも 感じます。


道を歩きながら 一歩一歩に南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏

お掃除で 箒を使って ひとはきごとに南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏

自転車をひとこぎごとに 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏

繰り返し繰り返しの単純な 行為がだんだんと少なくなって 南無阿弥陀仏も
出にくくなってきたのではないかと思います。

せめて 出る生き入る息 血液の脈打ち お箸の上げ下げ 痛い腕をもむ時
こった肩をたたくとき 繰り返しを見つけて お念仏を味わいたいものです。

 そして 正信偈の 

  弥陀仏の本願を憶念すれば、自然に即の時必定に入る。
  ただよくつねに如来の号を称して、大悲弘誓の恩を報ずべしといへり。と


   あることを 味わっています。 

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、7月31日に 新しい内容に変わります。 

         


           私も一言(伝言板)