第819回  新しい誕生

 平成20年 10月2日〜

 ふと目に入った 書棚の本 中西智海先生の めざめ という法話集に
 四つの誕生という ところがありました。

 アメリカのジエームスという学者は  人間だけが 再び生まれ変わることの
 出来る生きものであると。

 何が変わる、私が変わる、この私の 人生観が変わる。
 仏法的に言うと、私が変わるということは 世界を変えてゆくというのが
 仏教の論理の中にある。

 人生にとって、宗教的誕生は 私の日暮らしに 何をもたらしますのか。

 「信仰とは」「信心とは」 

 今まで 見えなかったものが見えてくる 今まで 感じられなかった世界(もの)

  が 感じられるようになってくる世界。

 例えば 思いもよらなかった 愛の実体が、罪ということが
 死ということが見えてくる  見えてきたら、ごまかし得ない  私になります。

 見えなかったものが 見えてくるように  なってくると 今まで 当たり前と
 思っていたことが 感謝の対象になる。

 今まで 愚痴と言い訳と 後悔の中に生きていた人生を 見直すことによって、
 本当の人生の 意味を感じることができましたと  立ち直っていくことが出来るようになる。

 3年間 病気で入院 そこで仏教書を 読んだ事で 変化した人もある。
「私は 3年間病気をしたことによって はじめて “人生とは何か”
 考えることができました」 と言い、 受け取り方が全く逆転している。

 3年半病気で入院したのですから  人生めちゃくちゃになったと 受け止
 めるのが 普通の受取でしょうが  病気をしたことも  また 人生の
 意味を教えてくれたとの受け取り。

 宗教の世界とは  人生を乗り越えてゆく道を確かに 信知する世界。
 苦しみをよけて通るものでもない。

 楽しいことだけに 飛びついていく だけではない。
 苦も楽も身にひきあてて 受けてたって  乗り越えてゆける人生であります。

 岸本英夫師の宗教定義 本当の宗教とは何かということを 大切な定義で

「真実の宗教とは 人生の究極的な 意味を明らかにし 
  人間の究極的  解決にかかわるもの」 と


 人生を真面目に燃えつくしてみたいと いう問い一つあったら、人間は必ず
 宗教的世界まで至らなければ 満たされないのです。


 人間の本当の解決は、そこにあるのであり、こういう宗教的誕生
 生まれ変わった人間は、惰性的な 人生に流されることなく ういういしい。
「初心忘るべからず」ということに気づき 惰性の人生ではなく ういういしく
 乗り越えて行ける人生が 必ず開ける。これが 第三の誕生です。



 そして 死もまた誕生であると  この智慧は 何から学んだ智慧か。
 親鸞聖人から学んだ智慧であると 亀井勝一郎さんは おっしゃった。
 人間が この世に生まれてきたことを  どう解釈し、死んでゆくことを どう 
 解釈するかということが その人の人生観の深さを現すもの。

 親鸞聖人という方は お浄土に  生まれる真実にもえ上がった命は

 そのまま真実なき 世界に必ず 戻ってくる。 

 真実とは何か、真実なき世界を  真実に転換する世界を真実という。
 私の死は、それこそ凡夫の いのちだという、その凡夫の命が

 そのままが 弥陀同体の悟りの生命に まきあがったら、還相回向といって
 たち返ってくるのでありますという  死の解釈も、私に死も誕生であると
 教えてくださったのは 親鸞聖人ですと。

 悔いなき様に燃えつくしてみたい。
 私の命の完全燃焼 そこに宗教的生命の高まりがあります。


 
  かなり大胆に 編集させていただきましたが、お念仏とともに この命 完全燃焼させて
  いただきたいものです。
  そして 私が お念仏に出遇ったのも 先だった 先輩たちの 還相のはたらきだったと
  喜ばせていただきたいものです。

  妙念寺 電話サービス 次回は 10月7日に 新しい内容に 変わります。


         


           私も一言(伝言板)